『ウマ娘 』が競馬ファンから批判されない5つのワケ。映画『 新時代の扉』レビュー(2)成功の要因は“原作”へのリスペクト
劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が大ヒット公開中だ。一見、毛嫌いされかねない設定の同作だが、実はアニメ好きだけではなく、古参の競馬ファンの心も掴んでいるようだ。今回は、そんな『ウマ娘』ヒットの要因を考察していく。(文・高橋大地)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
成功の要因は“原作”へのリスペクト
劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』もその系譜を継いでいる。主人公は、2001年頃に活躍した名馬「ジャングルポケット」の名前を受け継いだウマ娘で、同世代のライバルには、アグネスタキオン、クロフネ、マンハッタンカフェ、ダンツフレーム、などのライバルがおり、競馬ファンの中でも人気の高い世代だ。(※競馬ファンは、推しの“競走馬”とは別に推しの“世代”というものがあり「最強の世代は〇〇年だ!」などと一生答えの出ないタラレバ議論を巻き起こしがちである)
『ウマ娘』テレビアニメシリーズ第1期の放送は2018年4月のこと。そこから6年が経ち、とうとう劇場版の公開までこぎつけた。なぜ『ウマ』娘はここまで息の長い人気コンテンツになりえたのだろうか。
大きな要因は、“原作へのリスペクト”にある。ここでいう原作とは、私たちが生きる現実世界で行われた競馬のレースやそれにまつわる事象のことだ。
例えば、本作の主人公であるジャングルポケットは、フジキセキの走りに憧れて、同じトレーナーのもとに入門するという設定がある。
原作(現実)でもフジキセキは、ジャングルポケットの4歳上の世代で同じ厩舎(※調教師が馬主から競走馬を預かり調教・管理される場所)に預託されていたという点で共通項がある。
現実の世界では、4つも馬齢が違えば同じ厩舎で育ったとしても“同じ釜の飯を食った仲間”とは言いづらいが、『ウマ娘』ではそれが「憧れの先輩と、その先輩の想いを受け継ぐ後輩」というエモいストーリーに変貌するのである。
(文・高橋大地)
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