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銃弾とヤジを同列に語ることは妥当なのか

ⒸHBC/TBS
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2022年3月の1審札幌地裁判決は、2人について表現の自由などの侵害を認め、計88万円の賠償を命じ、“完全勝利”といっていい判決内容だった。道警と北海道庁は控訴。そして2023年6月、2審札幌高裁判決では、「警察官の行為は適法だった」とし、請求を棄却する。原告の2人にとっては“逆転敗訴”となってしまう。

なぜこのような判決が導かれたのか。2022年の7月8日、参議院議員選挙での応援演説中に安倍氏が銃撃され死亡した事件が発生したことが影響していると考えるのが自然だ。裁判長の大竹優子は、銃弾とヤジを同列に考えたのだ。憲法の根幹をなし、中学生が社会科の時間で習う「三権分立」をも脅かす判決といっていいだろう。

ここで今一度、冒頭の問いに立ち返ってみたい。日本では民主主義など全くといっていいほど機能していないのだ。「自由民主党」とは名ばかりで、その中身は中国共産党や朝鮮労働党を大差ないのだというのが、筆者が受けた印象だ。

この作品、北海道放送報道部道警「ヤジ排除問題取材班」が、4年間に渡り追及し続けた記録でもある。そして、双方が最高裁に上告したことによって、彼らは今でもこの問題を追い続けているのだ。

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