軍事に精通するライターからみた「ヤマト」
Ⓒ西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
普通、こうした新作映画のレビュー、しかもヤマトのようなシリーズものとなれば、
・作品に詳しい専門家がコアなファン向けに解説し、あるいは独自解釈による世界観の共有を図る。
・ヤマトを知らない新しいファン層にアピールするためのシリーズガイドや、導入用のウンチクを提供する。
このようなレビューが定番となるだろう。では、ヤマトを知らないままタイミングを逃し続けた昭和のオジサンが、事前になんの知識も入れずに『ヤマトよ永遠に REBEL3199』を見た時、そこに何を感じるのか? これはなかなか新しいチャレンジだ。
ただし、レビューを任される以上、私にも視座というものがある。それは四半世紀の経験を持つ出版関係者にして、軍事、歴史の専門ライターというところ。「ヤマト」は知らずとも、戦艦大和や日本海軍、軍用機、戦車、世界戦史 etc.については、膨大な文章を書き、関連書籍や翻訳本も何冊か出していただいている。
「ヤマト」のテーマは戦争であり、兵器が重要な役割を果たす。ならば、そうした軍事専門家の発想で、ヤマトの初体験を言語化することに、なにか今まで見たことのない価値が生まれるのではないか。