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時代を超えて作られ続ける「ヤマト」

『ヤマトよ永遠に REBEL3199』

Ⓒ西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

 とはいえ、事前情報を全く知らないというのも現実的ではないので、宇宙戦艦ヤマトがどのようなシリーズ状況にあるのか、そこだけは整理して臨んだ。

 基本、ヤマトはオリジナルシリーズと、リメイク版シリーズに大別される。さらにそれぞれに劇場アニメ映画やテレビアニメのスペシャル編があったりしてややこしいのだけれど、原作原理主義というわけでないなら、2010年代になってから始まったリメイク版を意識すれば良さそうだ。

 ただ、このリメイク版も『宇宙戦艦ヤマト 2199』(2014)、同じく『2202』(2017)、『2205』(2021)という三部になっていることがタイトルから窺える。そして本作が『REBEL 3199』ということなので、約1000 年後の話であろうと、勝手に予想して作品に臨んだのである。

 冒頭はシリーズのダイジェストから始まる。ふむ。人類のムーンショットからざっくり200年後の地球。火星まで進出して太陽系内拡張期を迎えていた人類であるが、ある日、謎の宇宙人勢力に襲われる。

 なるほど。たしかデスラー総統が率いるガミラス星人が悪役で、地球がガミラスの攻撃によって汚染されて絶体絶命。そこにイスカンダルから使者が来て超級テクノロジーを与えられ、宇宙戦艦ヤマトが単艦、イスカンダルにコスモクリーナーを入手しに行くのだ。

 うん、こんなあらすじならさすがに知っている。デスラーって、彼なりに深い事情があって地球を侵略したのだな。断片的情報が繋がっていくようで、気持ちが良いダイジェストだ。

 ところが、コスモクリーナーだけではダイジェストは終わらず、ガトランティスという新たな敵性勢力の出現を伝えてくる。

 地球は地球で、イスカンダルからゲットした波動砲の技術をカスタマイズした武闘派星系になりかけている様子。そしていろいろあって実質主人公の古代進がヒロインの森雪と高次元宇宙に迷い込み、その犠牲的精神に感動した地球人が愛を取り戻したらしい。

 ところが今度は新勢力のデザリアムが現れてガミラスを粉砕。これと連星をなしていたイスカンダルを重力から解放して、惑星ごと奪い去ろうとする。イスカンダルには宇宙人も憧れるスーパー・テクノロジーが溢れているからだ。

 ところがイスカンダルの守人である美人姉妹が星を渡さず、古代進のもとには実の兄とイスカンダル人の間にできた女の子(サーシャ)が残されるところでダイジェストが終わる。

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