疾走感あふれるConton Candyの主題歌にも注目
主題歌は、TikTokでも話題となった「ファジーネーブル」で人気を博した3人組ロックバンドのConton Candyによる「急行券とリズム」。Vo/Gの紬衣が“おひさま”(日向坂46のファン)であったことをきっかけに、主題歌を務めることに。「“何色にも染まらず、自分らしくいて欲しい”というメッセージ」(紬衣)が込められたという本曲を、「疾走感も爽やかさもあり最高の楽曲」と正源寺も絶賛。ジェットコースターのようにスリリングでハイスピードな彼女たちのストーリーを彩り、青春の大事なひとときに寄り添っている。
2015年に欅坂46(現・櫻坂46)のレギュラー番組「欅って、書けない?」(テレビ東京)番組内で、ひらがなの「けやき坂(ひらがなけやき)」が新設され、2016年に始動した「ひらがなけやき」が2019年2月に「日向坂46」に。そんな紆余曲折を経て誕生した日向坂46は、“日向”の名にふさわしく、“ハッピーオーラ”を届けるパフォーマンスで観る者を明るくポジティブにしてくれている。
日向坂46のファンは“おひさま”と呼ばれるが、“日向”はおひさま(=太陽)がないと成り立たないものゆえに、自分たちを照らしてくれる存在=ファンに対し、彼女たちがいつも感謝の言葉を発しているのが印象的。そんな関係性もあってか、ライブでは会場全体にほっこりとした空気が充満している。
本作もまた彼女たちのライブパフォーマンスのように、メンバー自身も観客も、みんなが温かな気持ちで包まれる 日向坂“46イズム”を感じずにはいられない一作だ。
タイトルに冠された“ゼンブ”には、自分一人だけじゃなく、かけがえのない時間を仲間と呼べる“みんな”とともに共有できることがハッピーであるという“奇跡”とも呼べる願いが込められている。そうした奇跡を軽やかに描き、観る人を巻き込んで思わず笑顔にさせてくれる、日向坂46ならではの青春映画をぜひ味わってほしい。
(文・小松加奈)
【作品情報】
『ゼンブ・オブ・トーキョー』
出演:正源司陽子、渡辺莉奈、藤嶌果歩、石塚瑶季、小西夏菜実、竹内希来里、平尾帆夏、平岡海月、清水理央、宮地すみれ、山下葉留花、小坂菜緒、真飛聖、八嶋智人
監督:熊切和嘉
脚本:福田晶平、土屋亮一
配給: ギャガ
(C)2024 映画「ゼンブ・オブ・トーキョー」製作委員会
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