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アルノー・デプレシャン監督にとっての『ニュー・シネマ・パラダイス』。映画『映画を愛する君へ』予告編&新規場面写真公開

text by 編集部

現代フランス映画界を代表するアルノー・デプレシャン監督最新作『映画を愛する君へ』が1月31日(金)より新宿シネマカリテほかにて全国公開される。本作は、19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす、映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマ・エッセイ。予告編と場面写真が公開となった。(文・編集部)

批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら“映画とは何か”に迫る

© 2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Hill Valle
© 2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Hill Valle

 デプレシャン監督は、『キングス&クイーン』(2004)や『クリスマス・ストーリー』(2008)などで、数々の映画賞にノミネートされ、日本の映画ファンからも人気のある名匠だ。本作は、第77回カンヌ国際映画祭で特別上映され、最優秀ドキュメンタリー賞にあたるゴールデン・アイ賞にノミネートされた。

 本編には、映画史に功績を残した50本以上の名作が登場。リュミエール兄弟による映画の発明から、アベル・ガンスの『ナポレオン』(1927)、フランク・キャプラ『或る夜の出来事』(1934)、アルフレッド・ヒッチコック『北北西に進路を取れ』(1959)、黒澤明『乱』(1985)、クロード・ランズマン『SHOAH ショア』(1985)、ジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』(1991)、『ノッティングヒルの恋人』(1999)など、世界中の様々なジャンルの映画が洪水のようにスクリーンを駆け巡る。

 そのほか、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマンらの映画も登場。デプレシャン監督が尊敬するアメリカの哲学者スタンリー・カヴェルやフランスの批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら、“映画とは何か”に迫る。
 
 今回公開となった予告編が映し出すのは、アルノー・デプレシャン監督の分身でもある主人公ポール・デュダリスの人生だ。祖母に連れられて初めて劇場を訪れ、映画館の魔法にかかった幼少期から始まり、映画から恋愛を学ぶ学生時代に至るまでが息を呑むような映像で描出されている。アルノー・デプレシャン版の『ニュー・シネマ・パラダイス』とも言える本作。続報が待たれる。

【予告編】

【作品情報】

監督・脚本:アルノー・デプレシャン
脚本:ファニー・ブルディーノ
製作:シャルル・ジリベール
共同製作:オリヴィエ・ペール
音楽:グレゴワール・エツェル
撮影:ノエ・バック
衣裳デザイン:ジュディット・ドゥ・リュズ
出演:ルイ・バーマン、クレマン・エルヴュー=レジェ、フランソワーズ・ルブラン、ミロ・マシャド・グラネール、サム・シェムール、ミシャ・レスコー、ショシャナ・フェルマン、ケント・ジョーンズ、サリフ・シセ、マチュー・アマルリック
2024年/88分/フランス/原題:Spectateurs!
英題:Filmlovers!/カラー/5.1ch/2.35:1
日本語字幕:福家龍一
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
配給:アンプラグド
© 2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Hill Valle
公式サイト

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【了】

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