称賛を集める「多様性の描き方」とは? 映画『モアナと伝説の海2』評価レビュー。今、続編が作られたことの意義を考察
text by 島晃一
海に選ばれた少女・モアナが繰り広げる冒険を描いた映画『モアナと伝説の海2』が公開中だ。今回は、2017年に日本で公開された前作から3年後が舞台となった本作のレビューをお届け。激化するアクションや成長したモアナの姿など、本作の魅力や見どころに迫る。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】(文・島晃一)
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【著者プロフィール:島晃一】
映画・音楽ライター、DJ。福島県出身。『キネマ旬報』、『ミュージック・マガジン』、『NiEW』などに寄稿。『菊地成孔の映画関税撤廃』(blueprint)で映画『ムーンライト』のインタビューを担当。J-WAVE「SONAR MUSIC」の映画音楽特集、ラテン音楽特集に出演。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」や『散歩の達人』では、ペデストリアンデッキ特集といった街歩きの企画にも出演、協力。渋谷TheRoomでクラブイベント「Soul Matters」を主宰している。
モアナが描いた新たなヒロイン像
アメリカでは、公開5日間の興行成績で、映画史上最高記録を打ち立てたディズニーのアニメ映画最新作『モアナと伝説の海2』。ここ日本でも、オープニングの興行収入が2024年の洋画作品トップになるなど、前作以上のヒットになっている。
前作『モアナと伝説の海』(2017年)は、ポリネシアの島と海を背景に、16歳のヒロイン、モアナ(アウリイ・クラヴァーリョ)と半神半人の英雄マウイ(ドウェイン・ジョンソン)の冒険を描いた作品だ。
『リトル・マーメイド』(1989年)や『アラジン』(1992)といったディズニーを代表する映画を手がけたジョン・マスカーとロン・クレメンツのタッグが監督をつとめ、興行的にも批評的にも成功をおさめた。