ヒーロー映画を彷彿とさせるクライマックス
今回のモアナたちの旅は、以前よりも激しさを増し、アトラクションのようにさえ感じられる。なんでも飲み込む巨大な貝、コウモリの軍団を従えモアナを惑わすマタンギ(アフィマイ・フレーザー)、そしてナロが引き起こす嵐と雷。
これらに巻き込まれながら、目まぐるしく移動するモアナたちの船は、さながらジェットコースターだ。映画の途中でディズニーのテーマパークと乗り物をつい想像してしまうほど、アトラクション感が際立っているように思う。
また、ヒーロー映画の要素もより強まっているように感じる。今回のモアナは、バラバラな個性を持つ船の乗組員たちをまとめるリーダーであり、その姿もよりたくましい。リーダーとしての葛藤もあり、それを乗り越えていく姿や、詳細は省くが、彼女に訪れる変化はまさにヒーローのそれである。
加えて、嵐の神ナロと終盤の物語の展開、クライマックスでナロが引き起こした雷の描写は、『アベンジャーズ』シリーズ(2012~)を思い起こさせた。