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現代社会から考える『モアナと伝説の海2』

モアナと伝説の海2
©2024 Disney. All Rights Reserved.

 こうした多様な人々との共存や、バラバラになった民が再び集うために島を見つけるという旅の目的を考えると、昨今の政治、社会状況をつい読み込んでしまう。

 嵐の神ナロは、海の民たちのつながりを断つために、集いの場になっていた島に呪いをかけ、嵐を発生させている。パンフレットによれば、ナロのアイデアは、人々のつながりに嫉妬するサモアの物語の神々からきているそうだ。

 ナロはルーツに基づいて考案されたキャラクターであり、バラバラになった海の民を探しにいく展開も前作からすれば自然ではある。しかし、こうした『モアナと伝説の海2』の設定には、トランプ政権以後の人種の分断を思い浮かべずにはいられない。

 困難な状況に対してモアナたちはどのように悩み、立ち向かっていくのか。そこには、前作から8年の年月と状況の変化、続編が作られた意義を見出すことができるだろう。

(文・島晃一)

【作品概要】

『モアナと伝説の海2』大ヒット公開中
監督:デイビット・ダーリック・ジュニア、ジェイソン・ハンド、ダナ・ルドゥ・ミラー
脚本:ジャレド・ブッシュ、ダナ・ルドゥ・ミラー
原案:ジャレド・ブッシュ、ダナ・ルドゥ・ミラー、ベック・スミス
出演者:アウリイ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン、フアラーライ・チョン、ローズ・マタフェオ、デヴィット・フェイン、アフィマイ・フレイザー、カリーシ・ランバート=ツダ、テムエラ・モリソン、ニコール・シャージンガー、レイチェル・ハウス、ジェラルド・ラムゼイ、アラン・テュディック
2024年製作/100分/G/アメリカ
原題:Moana 2
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2024 Disney. All Rights Reserved.

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