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改変ポイント⑥
茂の骨髄移植がもたらす熱すぎる展開

『はたらく細胞』
(C)清水茜/講談社 (C)原田重光・初嘉屋一生・清水茜/講談社 (C)2024映画「はたらく細胞」製作委員会

 人間パートにて、日胡は放射線治療を受けることになる。しかし、その治療は悪い細胞だけではなく、健康な細胞の一部も破壊してしまうというリスクを伴っていた。

 体内パートでは、放射線が空から降り注がれ、瞬く間に体内世界が崩壊していく様子が映し出されるが、まるで“核戦争の世界”そのものである。言わば、一度、体内という世界を一新してしまおうという手法が、放射線治療というわけだ。この描写には、バトルシーンとは異なる絶望感が漂っている。

 擬人化した細胞が戦う中で、荒野と化した日胡の体内。しかし、そこには、茂の骨髄移植により、新たな「血」が吹き込まれることとなるのだ。

 そう、ということは、父の身体の中で右往左往していた、新米赤血球が、日胡の身体に移植されるのだ。

 そして、赤血球と新米赤血球がコンビとなり、体内の各所細胞へ一生懸命酸素を運び始めるというオリジナル展開が繰り広げられる。

 これは、熱い! 熱すぎる! 別々の漫画で奮闘していた2人が、日胡の体内で邂逅するとは!

 この構成は、長期にわたる漫画原作を実写版に改変する手法として、まさにお手本と言える仕上がりだ。

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