飲食業界に蔓延るアジア人差別
メインの肉料理だと私が感じたのは、食を通した差別を浮き彫りにしていること。飲食業界=ミシュラン三つ星レストランの界隈では、アジア人に対する差別がいまだにあるということを映画では描いている。見ながら一瞬、悔しくなった。そしてそこを超えるのだと、尾花は言う。
「料理には国境がないってこと証明してやろうぜ」
素人ながらに思うけれど日本食は伝統の味を担保することがステイタス。寿司もすき焼きも天ぷらもさほど味は変わらない。でもそういう贅沢も美味だ。対するようにフレンチは味も見た目も日進月歩。ミシュランの調査員はあからさまな差別をしているのではなく、単に濃淡のないアジア料理に飽き飽きしていたのかも…とも思った。
そんなアジア人のパティシエ・リック・ユアン役として、オク・テギョン(2PM)が出演している。映画の予告を観ている際(やけに演技とガタイに迫力がある人がいるけれど?)と気になっていたけれど、今をときめくアイドルとは思わなかった。何かと問題を起こす役であるが、映画にとって良きスパイス。そして端正な顔立ちはフルコースのスイーツでしょうか。