木村拓哉は“チームもの”との相性が良い
本作の主演はもちろん木村拓哉。長年のキャリアにおいて、ここまで“主演特化型”の俳優も中々いない。木村のフィルモグラフィーを見ていくと、ブレイク後は脇に回るどころか、W主演作品もほとんどない。
映画ではウォン・カーウァイ監督の『2046』(2004)とトラン・アン・ユン監督の『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』(2009)という海外作品でこそ脇に回っているが、邦画では直近の『レジェンド&バタフライ』(2023)でも堂々の主演を張っている。
本作『グランメゾン・パリ』は、その『レジェンド&バタフライ』以来約2年ぶりの新作映画となる、ちなみに現代劇で言うと『マスカレード・ナイト』(2021)以来約3年ぶりになる。
そんな木村拓哉演じる尾花夏樹を多種多彩な仲間たちが支える。ドラマから続投組の鈴木京香や及川光博、沢村一樹などに加えて、映画からオク・テギョン、正門良規がチームに参加している。尾花は時に彼らに厳しすぎる態度で接する時もあるが、目標とする“パリでの三つ星獲得”という大きな夢に邁進していく。
思い返してみると『HERO』シリーズや『マスカレード』シリーズなどの様に、自身を中心として周囲の面々の個性も活きてくる“チームもの”と木村は相性が良いように思える。