脇を彩るバイプレイヤーたち

次に寄せてきたのは、バイプレイヤーたち。映画を彩るのはなんと言ってもヒーロー&ヒロインではあるし、菅田も井上も作品にちょうど良い仕上がりだった。ただその傍らにいる演者たちも気になる。
まずは宇田濱の居酒屋『海幸』の店主・倉部健介を演じていた竹原ピストル。健介ことケンは何かと熱いタチで、百香の熱血ファンで、とにかく料理にうるさい。彼のあの風貌を完璧に活かした、泥臭い演技の連発していた。脳内にうっすら残像が残るほど、演技は濃厚だった。この濃度は人によって受け止め方が違うのでスクリーンで確かめてほしい。
それから百香と同じ市役所に勤務する、酒飲みの持田仁美を演じた池脇千鶴。最近、あちこちの作品で見かけているが、本作でも完璧なおばさんだった。彼女の体型についてあれこれと意見が飛んでいるけれど、同じおばさんとして思う。あれは自然な姿だ。劇中、居酒屋で「(東京の人が)帰ったら(東京の人の)悪口を言う」と、ケンに嫌味を言うシーンの酔っぱらい方が、リアルで良かった〜。なんだか自分を見ているようで共感然り。