人々の欲望を具現化したヒーロー
弱い者たちを守るために体を張る正義の「養蜂家」という出オチ感満載な設定だが、「おとなしそうに見えて実は超強い」というヒーローは、デンゼル・ワシントン主演『イコライザー』シリーズや、ボブ・オデンカーク主演『Mr.ノーバディ』(2021)の大ヒットからもわかる通り人気が高いのだ。
おそらくこの設定は、人々の内に秘めた願望や欲求を具現化しているからだろう。
そんな「私、実は強いんです」ジャンルに新たに加わった『ビーキーパー』の敵は、フィッシング詐欺。ネットにつながっている限り誰もがターゲットになりうる超身近かつ卑劣な犯罪に立ち向かい、鉄槌を下す。その姿に観客は溜飲を下げることだろう。
それもそのはず、『ビーキーパー』は脚本家のカート・ウィマーの叔母に降りかかった悲劇が発端の物語なのだ。