お年寄りを被害から守る正義の養蜂家
カート・ウィマーには未亡人の高齢叔母がいた。彼女の家には住み込みで働く人々がいたが、ある日銀行口座に不正アクセスして全てを奪ってしまったという。叔母は無一文になったまま亡くなってしまったそうだ。
そんなウィマーは次のように語る。
「お年寄りにつけこむ人を見ると、ものすごく腹が立つ。お年寄りに電話をかけて、彼らが一生かけて働いて手にしたものを全て奪い取ろうとするんだ。彼らには良心の呵責というものがない。僕はお年寄りから盗むくらいなら死んだほうがマシだと思う」
行き場のない悔しさと悲しさを胸に抱えたウィマーは、弱い立場の人たちを守る正義の養蜂家というキャラクターを生み出した。泣き寝入りするしかない人々に、少しでも希望を与えるために。
そして、この影のある養蜂家に選ばれたのがジェイソン・ステイサムだった。ウィマーとステイサムは『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2023年)でも一緒に仕事をしており、ステイサムの魅力をよく理解している。