復讐に駆り立てられる女をチョン・ドヨンが熱演

リボルバー
©2024 PLUS M ENTERTAINMENT, SANAI PICTURES AND STORY ROOFTOP ALL RIGHTS RESERVED.

 映画『リボルバー』は幾多の復讐劇を世界に轟かせてきた韓国が放つリベンジ・ノワールだ。監督は「無頼漢 渇いた罪」(2015年)のオ・スンウク。女性を主人公にした希少なノワール映画としても注目を集め、第33回釜日映画賞で作品賞、助演女優賞、撮影賞の3部門を受賞している。

 舞台は汚職塗れの警察組織。登場人物はすべて悪党。主演は『シークレット・サンシャイン』で第60回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞したチョン・ドヨンだ。「これまでに演じた作品の中で最もドライで感情が抑えられている役だった」と回顧するほど冷徹な復讐者ハ・スヨンを演じている。

 物語はスヨンが2年の刑期を終えて出所するところから始まる。彼女は汚職事件で服役していた元女刑事だ。喪服を纏ったような佇まいには退廃的な美しさが漂っている。とうに涙も涸れ果てた瞳からは何の感情も読み取ることができない。

 やがて彼女があるクラブの違法行為を見過ごすことで裏金を受け取っていた刑事たちの罪をたったひとりで背負って服役していたことが明らかになる。

 罪を背負わせた刑事の中には彼女の恋人であるイム・ソギョン(イ・ジョンチェ)もいた。裏金でスヨンと暮らす為にソウルの億ションを手に入れた男だ。だが、捜査線上に浮上していたのはなぜかスヨンの名前だけだった。そんな彼女に組織から「すべての罪を被ってくれるなら大きな補償を約束する」という取り引きが持ち掛けられる。

「私が罪を被ります」

 恋人に見切りをつけた彼女は罪を背負う代わりに7億ウォンとマンションを貰うという約束を取りつける。だが、2年後に出所するとすべての約束は反故にされていた。マンションはソギョンによってファン・ジョンミという女性に贈与されていたのだ。理由を確かめようにもソギョンは彼女の服役中に頭を撃たれて亡くなっていた。

「誰が私を嵌めたのか?」

 スヨンは黒幕を突き止めるべく動き出す。手にした一丁のリボルバーで復讐を遂げる為に。

1 2 3 4
error: Content is protected !!