映画『ウィキッド ふたりの魔女』考察&評価レビュー。劇場で観るべき理由とは? 続編の期待高まる不穏なラストを解説
text by 近藤仁美
シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデが主演を務める映画『ウィキッド ふたりの魔女』が公開中。ブロードウェイミュージカルを原作とした本作は、名作小説「オズの魔法使い」で少女ドロシーが出会う”善い魔女”と”悪い魔女”の過去を2人の視点から描いた物語だ。今回は、本作の魅力に迫る。【あらすじ キャスト 考察 評価 レビュー】
*本記事は物語のラストに触れる部分があります。鑑賞前の方はご注意ください。
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【著者プロフィール:近藤仁美】
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『せっかち勉強』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供してきた。
シンシア&アリアナが魅せる華やかな歌唱シーン
本作は、ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』を原作とするファンタジー映画。原作と同じく、アメリカ文学「オズの魔法使い」の“裏話”的立ち位置で、「オズ」の主人公・ドロシーが“オズの国”を訪れる以前の物語を描いている。
監督は、ヒット作『クレイジー・リッチ!』(2018)で知られるジョン・M・チュウ。主演を務めたのは、シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデだ。
シンシアはエミー賞・グラミー賞・トニー賞など様々な栄誉に輝き、アリアナは数々のヒット曲で知られる世界的歌姫。それだけに本作の歌唱シーンは圧倒的で、物語に華やかさと説得力を与えていた。
シンシア演じるエルファバは、「オズの魔法使い」で人々に恐れられた“悪い魔女”だ。アリアナ扮するグリンダは、同作で“善い魔女”として扱われる。しかし、ふたりには知られざる友情があった。それを描き出すのが、本作『ウィキッド ふたりの魔女』である。