衣装の取り扱いに起因する違和感
一方で、やや残念な部分もあった。本作では、姫は女王の命で召使として扱われ、国民にも存在を忘れ去られていったとされる。ところが、女王が姫を殺すと決めたとき、森に連れていかれる彼女は急に「私、姫です!」といわんばかりの衣装になる。
姫を粗末に扱うなら召使のなりのまま出掛けさせればいいし、国民に忘れさせておくのなら、そもそも外聞もなにもないので着飾らせる必要がない。突然の衣装転換はアニメ版でも同様だが、すでに多数の改変を入れているのだから、ここも踏襲しなくてよかったのではないか。
仮に「あの衣装をぜひ実写で」という想いによるものであったなら、召使扱いの姫がなぜか美しい衣装を着ることになるよりも、本人が自力で作ったり、亡き母の衣装をひそかに持っていたり、という展開の方が納得できる。