心の葛藤と成長が共感を生むキャラクター
また、本作には細やかな見どころも多数ある。姫が恋に落ちる過程は以前よりもずっと丁寧に描かれ、国民は姫の身分ではなく本人の行動にふれて彼女自身を支持する。
特に印象に残ったのは、“7人のこびと”の1人、おとぼけ(アンドリュー・バース・フェルドマン)に関する展開だ。彼は日頃ほとんど話さず、自分の考えを伝えるのも苦手だったが、白雪姫の励ましで少しずつ意志を示すようになり、最後には皆の行動を決定づける。
ふだん、周囲からいじられてもやもやしながらも、それを口にできずにいる人は、ぜひ彼を見てほしい。おとぼけが少しずつ歩みを進める様は、共感必至である。
(文・近藤仁美)