心温まる周囲の人の支え
本作で印象的なのは、夫のマーク(コリン・ファース)の死後、タイトルロールの「日記」が止まっている様子であることだ。弁護士のマークは海外での人道支援活動中に亡くなり、残されたブリジットは日常を送りつつも立ち直れずにいた。
そんな彼女に、周囲はあたたかい。友人たちは、それぞれの状況は移ろっても事あるごとに以前と同じように集う。元彼のダニエル(ヒュー・グラント)は、時折子どもの面倒を見てくれつつ、磨きのかかった冗談でブリジットを笑わせる。
ダニエルは、一度は女性を捨てかけたブリジットに精神的潤いをもたらす人物でもある。作中で、いくつになってもナンパに余念がない彼をブリジットが「懲りない」と笑うのだが、その様子はどこか愛しげで、親友だけでなく懲りない自分をも肯定しているかのようだ。