アカデミー賞のルール改正で作品はどう影響される? 投票条件に全作品の視聴が必須となり透明性と公正性を強化
text by 編集部
映画芸術科学アカデミーが、第98回アカデミー賞に向けた新たな賞レースのルールを発表した。今年から各部門に投票するには、その部門にノミネートされたすべての作品を観ていることが必須となる。この改革は、タイトルだけで投票されるのを防ぎ、より作品本位の評価を促すことが目的とされている。(文・編集部)
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投票には全ノミネート作品の視聴が必須に
この改正により、アカデミー会員が各賞に投票するためには、自らが投票する部門にノミネートされた全作品を観ていることを証明するのが必須となった。
映画祭や試写会などプラットフォーム外で鑑賞した場合は、いつ・どこで視聴したかを申告するフォームの提出が必要になる。この形式は短編映画や国際映画、アニメーションなどのカテゴリではすでに導入されていたが、2025年からは全カテゴリに適用されることとなった。
さらには長年の議論を経て、ついにキャスティング(配役)賞が新設された。キャスティング・ディレクターの創造的な貢献が、俳優陣の選出にどう反映されているかが評価対象となる。
もうすでに来年の賞レースに向け、注目したい作品が続々と登場している。果たして、これらのルール改正が賞レースにどんな影響を及ぼすのか注目だ。
(文・編集部)
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