カンヌ国際映画祭会長イリス・ノブロックが言及する『女性監督の躍進』と『トランプの映画関税案』への懸念

text by 編集部

カンヌ国際映画祭の会長を務めるイリス・ノブロック氏が、本映画祭の開催にあたってコメントを残した。ノブロック会長は就任以来、ハリウッドとの連携強化や女性監督の活躍に尽力。インタビューでは、女性の視点を尊重する姿勢や、トランプ元大統領が提案する外国映画への関税について語った。(文・編集部)

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女性がもっと活躍できる場所へ

イリス・ノブロック【Getty Images】
イリス・ノブロック【Getty Images】

「私の存在が映画祭の進化に貢献できれば光栄です」と語るノブロック会長。今年のカンヌでは、全ての審査員団の構成が男女同数となり、各部門の審査員長もすべて女性。さらに、コンペティション部門には7人の女性監督が選ばれており、これは前年と並ぶ記録だという。

「女性監督の比率は応募全体の28%。選ばれた作品の25.1%が女性監督によるものです。特に短編や初長編作品では女性の割合がさらに高い。これは非常に良い流れですが、持続するための意識的な努力が必要です」と強調した。

 また米国のトランプ大統領が提唱する『外国映画への100%関税』についても言及した。「まだ詳細は不明ですが、業界が萎縮するような事態は避けるべきです」と語り、業界を代表する立場としての危機感をにじませた。

 この件に関しては、同映画祭でパルムドール賞を受賞したロバート・デ・ニーロもスピーチの中で懸念を示しており、今年のカンヌ国際映画祭は映画祭の枠を超え、政治的な議論の場としても注目を集めている。

(文・編集部)

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