シリーズファンが「最高傑作」と絶賛する理由は? 『ミッション:インポッシブル・ファイナル・レコニング』評価レビュー
text by 灸 怜太
トム・クルーズが主演を務める映画『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』が公開中。本作は、2部作として製作された『デッドレコニング PART ONE』(2023)の後編にあたる作品だ。今回は、その“後半戦”となる本作のレビューをお届けする。(文・灸 怜太)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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トム・クルーズは「洋画離れ」を食い止めることができるか?
トム・クルーズが心血を注ぎ、30年近くに渡ってつくり続けてきた『ミッション・インポッシブル』シリーズの8作目。
全世界待望のアクション大作であり、大ヒット間違いなし! と言いたいところだが、令和ニッポンの映画興行界は洋画の不振が続いている。かつてはドル箱と呼ばれたハリウッド系の大作が奮わず、話題にすらならないことも増えてきた。
しかし、今作は圧倒的人気と知名度を誇るトム・クルーズ主演作であり、人気シリーズの最新作。宣伝にも時間をかけ、パブリシティも打ちまくった。キャスト、監督が来日してキャンペーンも行った。
定番のトムと戸田奈津子先生の2ショットも抑えた。宣伝会社からしてみれば、これでヒットしなかったらもはや成すすべがないくらいだ。トム・クルーズ=イーサン・ハントは、洋画への関心を失った人々を劇場に呼び戻すという、わりとインポッシブルなミッションも託されているのである。