シリーズ最高難度のアクション
文字通り、陸・海・空を疾走し、その肉体の酷使ぶりはシリーズ最高レベル。海底深く沈む潜水艦に身一つで潜っていくシークエンスでは、深海ゆえにセリフもほとんどなく、重くて息苦しいアクションが続く。
さらに今作の目玉であるプロペラ飛行機にしがみついてのアクロバットも、言葉少なめだが凄まじい。
必死に機体にしがみつく姿は観てるだけで拳に力が入ってしまうが、そんなヤバいアクションが登場する場面は、ストーリー的にもギリギリな状況なので、観る側のテンションもマックスに引き上げられる。これが次から次へと続くので、観客の心も体もガッチガチになってしまうはずだ。
本シリーズのアクションシーンはCGや吹替を使わず、トム・クルーズ本人が挑んでいることがウリのひとつ。その壮絶なナマの迫力はもはや衝撃映像レベルで、心のなかで「わかったから、もうやめてくれ」と呟いてしまいそうになる。
さらに今作ではなぜかトムの脱ぎっぷりがよく、62才の肉体を晒すシーンが何度も出てくる。鍛え上げたトムの身体は確かに年の割には若くみえるが、それなりの老いは否めない。それでもトムはいままでの自己記録を超えるようなアクションに挑んでくるのだから、より感情移入してしまう。
これまでも様々な大仕掛けのアクションをこなしてきたトムだが、その最新型にして最終形が、サイレント映画のようなシンプルなスタントになったというのも興味深い。