過去作からの謎がついに明かされる
そして本作にはストーリー展開にも様々な驚きが仕掛けられている。シリーズの集大成だけに、過去の作品に関連した意外な人物たちが、意外な場面で再登場。それぞれの作品で未解決だった謎も明かされていく。
『ミッション:インポッシブル』シリーズは、イーサンと仲間たちが危機にさらされ、世界が崩壊に近づき、いろいろ無茶しながら、なんとかミッションを達成する。というのが基本的なフォーマットだ。
しかし、そのミッションを遂行する過程では、関係ない人々が巻き込まれ、命を落とすといった“想定外の被害”が避けられないのもまた事実だ。アクション映画とは、そうした副作用を描きながらも、それを見過ごす構造になっている。
しかし、本作ではそのコラテラルなジレンマすらも設定に取り込み、イーサンたちが過去に選んできた行動の積み重ねが、いまの世界にどれほど深刻な影響を与えているかが暗に示されている。
アクション映画の主人公が、これまで調子に乗って無茶してきたことや、かつて下した判断がもしかしたら間違いだったかもしれない…という“過去のツケ”を、いまさら突きつけられるのである。これは恐ろしい。