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「意味不明?つまらない?」映画『エブエブ』の評価は? アカデミー賞受賞作を解説。忖度なしガチレビュー【あらすじ 考察】

text by ZAKKY

アカデミー賞最多10部門11ノミネート。ゴールデングローブ賞では主要2部門を制覇するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』こと、通称『エブエブ』。果たしてどのような物語なのか。マルチバースとカンフーで世界を救う? 空前絶後のオリジナリティで魅了する本作のレビューを紹介する。(文・ZAKKY)

【あらすじ】

エヴリン(ミシェル・ヨー)は優柔不断な夫/ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)と反抗期の娘/ジョイ・ワン(ステファニー・スー)、そして、頑固な父/コング・コング(ジェームズ・ホン)と暮らしながら、破産寸前のコインランドリーを経営している。

税金申告の締め切りが迫る中、エヴリンはウェイモンドに並行世界に連れて行かれる。そこでカンフーマスターさながらの能力に目覚めた彼女は、全人類の命運を懸けて巨大な悪と闘うべく立ち上がるのだが…。

監督・脚本は、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナーとによる2011年から活動をしている「ダニエルズ」。『スイス・アーミー・マン』(2016)以来の長編映画である。

家庭問題×カンフーアクション×マルチバース
物語の中心は母と娘の確執

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家族愛と家庭問題×カンフーアクション×マルチバースという、かけ合わせによる新ジャンルを生み出したと言える作品である。ストーリーの軸となるのは「家族の話」である。さらに言うならば、「母と娘」の確執であり、ドタバタコメディ、あるいは SFアクションを予想していた筆者は、まずその点に驚かされた。

親子の確執がテーマとなると、「子が親を嫌い、親が戸惑う」というパターンが常道だが、この作品では逆。主人公のエヴリンは、物語冒頭から、実の娘・ジョイのことを忌み嫌っている。そして「あんたは太りすぎ」などと罵り、突き放す。

また、ジョイのガールフレンド・ベッキー(タリー・メデル)が現われると、不快感を露わにしてみせる。その度にジョイは苦い表情を浮かべる。女の子にとって一番言われたくない言葉をぶつけられ、他人には理解されづらい性の問題を、他でもない実の母親から軽蔑されるのだ。ここだけ切り取ると何ともやるせない物語である。

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