『ジョーズ』(1975)の裏側にあった悪夢のような撮影とは? 海外メディアが明かしたスピルバーグの執念

text by 編集部

1975年の公開から50年の節目を迎える映画史の金字塔『ジョーズ』(1975)。そんな記念すべき節目の年に、映画界ではドキュメンタリーの公開が決定するなど、様々な特別のイベントが催されている。そんな中、海外メディア「バラエティ」が27歳という若さで同作を制作したスティーヴン・スピルバーグの姿を振り返った。(文・編集部)

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撮影地獄を乗り越え、興行の歴史を変えた若き監督の執念

映画『ジョーズ』の撮影現場の一幕
映画『ジョーズ』の撮影現場の一幕【Getty Images】

『ジョーズ』(1975)の撮影は、海上でのロケという挑戦的な選択によって困難を極めた。機材の故障、天候の不安定さ、俳優同士の対立などが重なり、スタジオ側もプロジェクト中止を検討するほどだったという。だがスピルバーグはプレッシャーを隠し通し、冷静さを保ったまま現場を指揮していた。

 完成した『ジョーズ』(1975)は、全米400館以上で同時公開されるという当時としては異例のマーケティング展開で大ヒットを記録した。最終的に2億6000万ドル超の興行収入となり、当時の興行収入を塗り替えた記録を持つ。

 今や伝説となった劇中のサメは、技術的な制約により出番が大幅に削られた。しかし、それが逆に観客の恐怖心を刺激することに成功し、ジョン・ウィリアムズの音楽と巧みな編集が緊張感を高めた結果となったという。

 スピルバーグ自身は「『ジョーズ』の成功を超えることはないと思っていた」と語るが、その後『E.T.』(1982)や『ジュラシック・パーク』(1993)といったさらなる大作を世に送り出すことになる。ただ、夢中になって彼が制作した映画が今や後世に語り継がれる金字塔にまで成長した。

『ジョーズ』(1975)は映画界で一生語り継がれる作品だろう。

(文・編集部)

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