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ブルジョワたちの痛快な汚物シーンに注目

Fredrik Wenzel © Plattform Produktio

第二部では、ヤヤのインフルエンサーとしての特権を使い、2人が豪華客船クルーズの旅へ出かける。船内では、ロシアの大富豪や英国の武器商人など、“クセ強”な世界の富裕層たちがバカンスを楽しんでいる。クルーズ船のクルーたちに服のまま泳ぐよう指示したり、ヤヤたちにナンパを仕掛けたりと、まさにやりたい放題の富裕層たち。クルーたちはそんな彼らに内心辟易しながらも、笑顔で接する(ちなみに、メインのクルーが白人で占められているのもポイントである)。

さて、物語が大きく動き出すのは第二部の後半、船長を迎えた「キャプテンズ・ディナー」のくだりからである。この船長、何を隠そう重度のアルコール依存症で、いつもは自室で酒浸りの日々を送っている。

そんな彼が、何を思ったかあえて嵐の中に船を突入させるという自殺行為を欠航。大揺れの船内で嘔吐する乗客たちが続出する。挙げ句トイレからは下水が吹き出し、船内はゲ〇とク〇まみれに。うわべを飾ったブルジョワたちが汚物を撒き散らす姿は、なんとも痛快な光景である。

そして、コントロール不能となったクルーズ船は、なんとその後、海賊に手榴弾を投げられてあっけなく沈没してしまう。

第三部では、カールとヤヤをはじめ、生き残ったクルーたちが無人島にたどり着くところからスタート。ここでは、船内のヒエラルキーでは下層にいたアジア系のトイレの清掃員が意外なサバイバル術を披露し、一気にトップにのし上がる。イケメンのカールに夜の相手をさせ、かつてのブルジョワたちの生殺与奪権を握る彼女。そんな中、物語は衝撃のラストを迎える…。

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