歌で心を交わすミュージカルの醍醐味が味わえる
そして、残されたライルのアパートの部屋に、主人公・ジョッシュ(ウィンスロー・フェグリー)と、その両親が居住してくる。ここからが、第2パートの始まりである。見どころは、ライルとジョッシュの母親であるミセス・プリム(コンスタンス・ウー)との絡みである。
ジョッシュが自身の部屋に隠していたライルの存在を知り、プリムは当然、驚く。しかし、その後、ライルの歌声とダンスに導かれ、一緒に料理を作るなど、心を通わせていく。最初はライルのことを怖がっていた彼女も、ミュージカルシーンを通して理解を深め、最終的にはライルにゾッコンになってしまう。このシーンは、音楽を通じて異なる存在が心を一つにする、ミュージカル映画の醍醐味がギュッと詰まっている。
物語が終盤を迎えると、ジョッシュは舞台が苦手なライルを、ある会場へと連れて行く。それは、スーザン・ボイルを輩出したことでも知られる、実在するアメリカのオーディション番組『ゴットタレント』を模したステージである。アメリカのカルチャーに詳しい人であれば、元ネタがわかりニヤリとするところだ。