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「感情に根ざしたストーリーが少ない」ジェームズ・ガン監督が“スーパーヒーロー疲れ”の原因を語る

text by 編集部

DCスタジオの代表に就任したジェームズ・ガン監督は、マーベル・スタジオの映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの脚本と監督を務めるなど、スーパーヒーロー映画のメインストリームを歩む人気監督の一人だ。そんな彼が、「近年多くの観客に“スーパーヒーロー疲れ”が起こってしまっている」と語ったようだ。

ヒーロー映画に暗雲立ち込める…。
ジェームス・ガン“スーパーヒーロー疲れ”を語る

DCスタジオの代表として、スーパーヒーロー映画に携わっているジェームズ・ガン監督。そんなジェームズ・ガン監督でさえ「スーパーヒーロー疲れというものはある」という認識を示している。

米Rolling Stone誌の取材に応じたジェームズ・ガン監督は、スーパーヒーロー映画の疲労現象について、疲労の原因は、スーパーヒーロープロジェクトの存在自体ではなく、語られる物語に関係していると話した。

ジェームズ・ガン監督は「“スーパーヒーロー疲れ”というものがあると思うんです。それは、スーパーヒーロー達とは関係ないと思っています。

私たちはスーパーマンを愛しています。バットマンを愛しています。アイアンマンも大好きです。彼らは、私たちの心の中にいる素晴らしいキャラクター。でもスクリーン上で彼らが単なるナンセンスな存在となったら本当につまらないものになる。

しかし、私はその迫力のあるスペクタクル映画で、感情に根ざしたストーリーが少ないことに疲れを感じているんです。

スーパーヒーロー映画かどうかは関係なく、根底に感情を強く動かすストーリーがなければ、ただ物と物がぶつかり合うのを見るだけで、そのぶつかり合う瞬間にどんなに精巧なデザインや、巧妙な視覚技術が用いられても、ただ疲れてしてしまうだけなんだ」と話した。

マーベル・シネマティック・ユニバースの新作映画は、かつては批評家にも観客にも大ヒットしたが、近年は苦戦が続いており、例えば、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)は、公開前に大きな期待がかかっていた作品だったにも関わらず、映画『アントマン』シリーズの中で最も低い興行収入になることがほぼ決まっている。

また、映画『シャザム!』(2019)に関しても、興行成績的は芳しくない。これはスーパーヒーロー映画に観客が斬新さを求めており、このままでは、需要よりも、スーパーヒーロー疲れが勝ってしまう恐れがある。

現在ジェームズ・ガン監督は、新DCユニバース全体の舵を取りながら、自らもスーパーマン新作映画『スーパーマン:レガシー(原題)』で脚本と監督を務める。今後、ジェームズ・ガン監督が懸念されている観客の“スーパーヒーロー疲れ”を、どのように払拭していくのか、注目していきたい。

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