ホーム » 投稿 » 海外映画 » 劇場公開作品 » 見事なラスト! 最後に残る謎と余韻は…。映画『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』忖度なしガチレビュー » Page 2

「一目惚れ」と「呪い」がモチーフ
サブストーリーが一つにまとまる見事なラスト

©DFFB Sakdoc Film New Matter Films rbb Alexandre Koberidze

クタイシと言えば、何と言っても世界遺産に登録されたバグラティ大聖堂やゲラティ修道院が有名だ。それに加え、街中の散策も楽しめ、リオニ川にかかるホワイトブリッジを見ながらカフェでお茶を楽しむ観光客も多い。

まさにこの場所が、同作の舞台となっている街中で本を落としたリザ(オリコ・バルバカゼ)とすれ違いざまにそれを拾ったギオルギ(ギオルギ・アンブロラゼ)は、夜の道で偶然にも再会する。2人は互いの名前も連絡先も聞かないまま、翌日、その白い橋のたもとにあるカフェで会う約束をするが、翌朝、彼らは邪悪な呪いにかけられ、外見を変えられてしまう。

変身後のリザ(アニ・カルセラゼ)とギオルギ(ギオルギ・ボチョリシビリ)は、その外見だけではなく、リザは薬剤師としての知識を、ギオルギはサッカー選手としての技術を同時に失い、新たな仕事を探す必要に迫られる。これだけでも非常に辛い状況だ。

ただ2人は、互いに相手の姿が変わっていることを知らず、約束のカフェで互いを待ち続ける。リザもギオルギも、白い橋のカフェで仕事を見つけ、再開できることを信じ続ける。人間の感情の発露である「一目惚れ」と、人知を超えた現象である「呪い」軸に、複数のサブストーリーとともに物語が展開され、見事なラストへと収束していく。

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