多くの謎と余韻が心地良い
“ジョージア版ヌーヴェル・ヴァーグ”の傑作
また、一見平凡な中年男性で、変身した後のギオルギとリザに新たな仕事を紹介する「白い橋のカフェ」の店主(バフタング・パンチュリゼ)が、この2人のその後のカギを握る。リオニ川にかかる「白い橋のカフェ」を中心に物語が進行するため、物理的な広がりはないかもしれないが、歴史と伝統が詰まっているクタイシの街の美しさも堪能できる。
“ジョージア版ヌーヴェル・ヴァーグ”を謳っているだけあって、フランス映画のような描写も印象的だ。そして、思わぬ形でギオルギとリザは、お互いの存在を確認し、このおとぎ話は現実のものとなるのだ。多くの謎と余韻を残しながら、見事なエンディングを迎えることになる。(文・寺島武志)
4月7日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺、他にて公開
【作品情報】
『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』
監督:アレクサンドレ・コベリゼ
出演:ギオルギ・ボチョリシヴィリ、オリコ・バルバカゼ、ギオルギ・アンブロラゼ、アニ・カルセラゼ、ヴァフタング・パンチュリゼ
音楽:ギオルギ・コベリゼ
原題:რას ვხედავთ, როდესაც ცას ვუყურებთ?
©DFFB, Sakdoc Film, New Matter Films, rbb, Alexandre Koberidze
公式サイト
Twitter:@JaihoTheatre 2021年│
ドイツ、ジョージア ジョージア語 カラー│ │ │5.1ch│150分│
配給:JAIHO│G指定