サブキャストはいぶし銀ぞろい
安いJホラーを思わせる演出に興ざめ
キャストは、ハリウッドから大物が参戦しているが、これが「シン・エクスペンダブルズ」と言いたくなるほど、この手のジャンル映画が好きな人にとってはたまらない面々。
ニック・スタールは相変わらずの粗野っぷりで、映画『ターミネーター3』が幻だったかのような存在感。ショーン・ビーンは、いつもの苦々しい顔をしているだけで説得力十分。かつて「よく死ぬ映画俳優トップ10」で1位となっただけあって、今作でもきっちり役割を果たす。おファムケさまは、ヒアルロン酸をブチ込んだようなパキった美貌で、まさかのファイトシーンまで披露してくれる。
そして、マイロック役のマーク・ダカスコスは圧巻。アクションシーンの切れ味は健在で、ケレン味たっぷりにキメまくって、ちゃんと顔を汚して戦う。マッケンは、ぜひ彼のアクションを参考にしてほしい。
とはいえ、こんな顔ぶれで喜ぶのは自分のようなオジサンだけで、一般的には「安キャスト」と思われるだけかもしれない。
そして、そのマーク・ダカスコス渾身のアクションシーンさえも細切れに編集してしまうなど、演出センスも安め。マッケンが過去の自分を抱きしめるシーンは、なぜか安いJホラーのような雰囲気まで漂い、そんなニオイが観客を「劇場で観る作品ではないかも」と不安にさせてしまったのかもしれない。