『聖闘士星矢』に対するこだわりの欠如
続編は作られずに終わるのか
とにかく、全編を通じて『聖闘士星矢』に対する想いというか、こだわりを感じさせるような要素が少ない。発注に対して「こんな感じですか?」という仕事の寄せ集めなので、責任者不在のプロモーション映像を見させられているような気分になる。そもそも、作り手に情熱や覇気がなければ、観客に小宇宙を感じさせることなど土台無理な話ではないか。
結果的に「大爆死」してしまったのは、宣伝プロモーションの時点で「観なくてもわかる」と思われてしまったことと、実際に観た人からも「想定の範囲だった」としか評価されなかったことに尽きるのではないだろうか。
ただ、『The Beginning』とつけるような作品ほど、あとが続かないというのもよくある話なので、タイトルの時点でこの結果は約束されていたのかもしれない。
【作品情報】
『聖闘士星矢 The Beginning』
監督:トメック・バギンスキー
原作:車田正美
脚本:ジョシュ・キャンベル、マット・ストゥーケン、キール・マーレイ
キャスト:
星矢:新田真剣佑
ヴァンダー・グラード:ファムケ・ヤンセン
シエナ:マディソン・アイズマン
ネロ:ディエゴ・ティノコ
マイロック:マーク・ダカスコス
カシオス:ニック・スタール
アルマン・キド:ショーン・ビーン
主題歌:P!NK
2023年製作/114分/G/日本
原題:Knights of the Zodiac
配給:東映
公式サイト https://kotzmovie.jp/