ラストにかかる曲に込められた意味とは?
ジェームズ・ガンは本シリーズのキャラクターたちについて、「登場人物達は皆アウトサイダーで、本当の居場所がないと感じています」と語っている。また「最も孤独を感じている人物」として、ロケットの名前を出し「ロケットは私が親しみを感じる存在です。ですから、これは私の物語なんです」と語っている。
ガンは本作の制作前に、過激なツイートを掘り下げられたことで、突如としてウォルト・ディズニー社から解雇されてしまった経験を持つ。この経験で孤独を深めたガン。映画の登場人物であるロケットに対する特別な感情は、自身がアウトサイダーの立場に置かれた経験が根ざしているのだ。
ガンは、ウォルト・ディズニー社から解雇されてしまったことを「あの時期は非常に辛かったけど、ありがたい経験でもあった。自分がなぜこんなにも愚かだったのかと思うこともあるが、今はあの時期に感謝している。本当に必要だった瞬間だったと思うんだ。映画を作る理由を忘れかけていた。本当に大切なものは一体何か。自分がどれほど愛されているかも知らなかった。一生懸命働いて、自分の地位や名声に頼って愛を得ていた人間だったんだ」
「それから突然、私のそばには素晴らしい人々がいることに気づきました。私の妻であるパートナーや、両親、クリス・プラット、デイブ・バウティスタ、カレン、ポム。彼ら全員が私を支えてくれたんです。彼らは私が私であることを愛してくれた。何があってもそこにいてくれた。結果がどうであれ、彼らが私を支えてくれたのは、映画を作るからではない。それは私にとって大きな人生の教訓だったし、本当に感謝している」と述べている。
映画ラストシーンでは、ロケットは親友であるクイルから音楽プレイヤー「Zune(ズーン)」を受け取る。最後にロケットがかける曲は“ここに愛を取りにきな”と歌われるRedbone「Come And Get Your Love」(1973)である。
自分で愛を見つけ、前に進んでいこうとするロケットの姿は本作の製作を担当したジェームズ・ガンと重なり大変感動的なシーンとなっている。
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