観客の目を釘付けにするセクシーな役者陣~配役の魅力
キャスティングといえば、まずは本作の中心人物であるバド(ラッセル・クロウ)、エクスリー(ガイ・ピアーズ)、ジャック(ケヴィン・スぺイシ―)に触れなければならない。
ラッセルは悪漢から女性を守る熱血漢バドを、ガイは若気あふれる正義漢エクスリーをそれぞれ熱演。対してジャック役のケヴィンは、汚職まみれのベテラン刑事を飄々と円熟味たっぷりに演じている。
世俗的な善悪に捉われず、自身の信念を行動原理とする彼らの姿は、見ていて胸がスカッとすること請け合いだ。
なお、本作の公開当時、『ユージュアル・サスぺクツ』(1995年)でスターダムにのし上がったケヴィンはともかく、ラッセルとガイは当時ほとんど無名の存在で、特にガイに関しては全くのノーマークだったという。
しかし、本読みの段階でエクスリー役はガイしかいないと確信。オーストラリア在住だったラッセルとガイは、撮影7週間前にアメリカ入りし、現地の英語を学習したほか、ラッセルは身体づくりからスタートしたという。
また、本作の紅一点として、ベロニカ・レイク似の娼婦リンを演じるキム・ベイシンガーの演技にも注目。二人の男性から言い寄られることの悲哀と美魔女と呼ぶにふさわしい色気を見事に表現し、アカデミー賞助演女優賞を受賞している。