ホーム » 投稿 » 海外映画 » 配信作品 » Netflix×ウェス・アンダーソンの夢コラボ! 待望の新作『奇才ヘンリー・シュガーの物語』の内容と原作は?

Netflix×ウェス・アンダーソンの夢コラボ! 待望の新作『奇才ヘンリー・シュガーの物語』の内容と原作は?

text by 編集部

『グランド・ブダペスト・ホテル』や『犬ヶ島』を手掛けた映画監督ウェス・アンダーソン。今回、作家ロアルド・ダールの作品を映画化したNetflix配信の『奇才ヘンリー・シュガーの物語』について監督がコメント。現地メディアを参考に、その内容を紹介する。

「私が友人だったから、この物語をとっておいてくれた」
ロアルド・ダール作品、2度目の映画化

ウェス・アンダーソン監督
ウェスアンダーソン監督Getty Images

ウェス・アンダーソン監督は、Netflix上で公開予定の新作映画『奇才ヘンリー・シュガーの物語』について米IndieWireに語った。その内容は、作家ロアルド・ダールの1977年の短編小説集を基にしたこの映画の上映時間が、たったの「37分」しかないという内容だった。

映画『奇才ヘンリー・シュガーの物語』は、俳優ベネディクト・カンバーバッチ、ラルフ・ファインズ、デヴ・パテル、ベン・キングズレーらが出演する予定となっており、2009年に公開された『ファンタスティック Mr.FOX』以来、2度目となる作家ロアルド・ダールの映画化作品だ。

本作は、ウェス・アンダーソン初となるNetflixオリジナル作品。彼によると、ストリーミングサービスとのコラボレーションは、自分自身が強く望んでいたというよりかは、作品の権利をめぐって、必然的にこのような形になったという。

アンダーソン監督は、Netflixとの提携について雑談を交えながら「作家のロアルド・ダールとは、映画『ファンタスティック Mr.FOX』を制作する以前から知り合いだった。彼の奥さんであるリンジー・ダールとは20年程も前に『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』を撮影していた時に出会っていた。「もう何年も前から『奇才ヘンリー・シュガーの物語』をやりたかったんだ。彼は、私が友人だったから、この物語を私のためにとっておいてくれたんだ」

「だから私はこの作品の制作を心待ちにしていた。でも、どうやって制作して行けばいいのか答えが見つからなかったんだ。この物語で好きな部分は、作品に登場するダールの言葉達。それはわかっていた。その答えはずっと見つからなかったんだけど、ある日突然見つかったんだ。この作品は、長編映画じゃなくて、上映時間37分という短いものだからね。でもその気になった時には、ダール家はこの作品の権利を持っていなかったんだ。彼らはNetflixに全ての権利を売却したんだ」

「要するに、Netflixがこの作品を所有しているので、他にできる場所がなくなったんだ。しかしそれ以上に、37分という短編映画には、Netflixという場所が完璧だったんだ」

さらに、「このような短編映画を、映画館で公開することはできないでしょうから。映画館での公開とストリーミング配信のどちらかを選択するという選択肢はありません。チケットを安く設定するか、2本立てにするなら話は別ですが…」

一方、映画館で自作を上映することのこだわりを垣間見せる一幕も。

「映画『アステロイド・シティ』を映画館で上映することができることは、とても嬉しく思っている。フォーカス・フィーチャーズと、ユニバーサル・ピクチャーズは本物の映画のやり方を選んでくれる。それは本当に私が望む、映画の上映方法なんだ」

ダール作品の権利はこれまで、孫であるルーク・ケリーが運営し、遺族が所有していた会社「ザ・ロアルド・ダール・ストーリー・カンパニー」が管理していた。Netflixは2021年9月にこの「ザ・ロアルド・ダール・ストーリー・カンパニー」を買収した。

また、米Varietyは、本作の作品内容が、アンダーソン監督の2007年の短編映画『ホテル・シュヴァリエ』に似たものになる可能性が高いと指摘している。ちなみに、『ホテル・シュヴァリエ』は長編映画『ダージリン急行』との併映という形で上映された。

アンダーソン監督の最新作『アステロイド・シティ』は、9月1日(金)より日本公開となる。映画『奇才ヘンリー・シュガーの物語』は、秋頃にNetflixで公開される予定だ。

【関連記事】
あまりに素晴らしい…快楽に満ちた映像体験の秘密を解説。映画「グランド・ブダペスト・ホテル」<あらすじ 考察 レビュー>
ウェス・アンダーソン監督最新作『アステロイド・シティ』カンヌ国際映画祭で6分間のスタンディング・オベーション!
ネットで話題騒然…。AIが生成した“ウェス・アンダーソン版『スターウォーズ』”。 映画業界で人工知能をめぐる議論が紛糾