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幻の短編が本邦初公開! ラース・フォン・トリアーレトロスペクティブにて短編『ノクターン』上映決定&3作品の映像解禁

text by 編集部

映画『キングダム エクソダス〈脱出〉』の公開を記念し、7月7日より「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」が開催。同企画では、フォン・トリアー監督の14作品が期間限定公開される。この度、さらに本邦初公開となる短編作品『ノクターン』の上映が決定し、初期のヨーロッパ三部作の本編映像も解禁された。

ラース・フォン・トリアーの原点とも呼べる幻の短編映画を日本初公開!

© 2022 VIAPLAY GROUP, DR & ZENTROPA ENTERTAINMENTS2 APS
© 2022 VIAPLAY GROUP DR ZENTROPA ENTERTAINMENTS2 APS

7/28(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて全国公開の『キングダム エクソダス〈脱出〉』を記念して開催されるラース・フォン・トリアー監督のレトロスペクティブ上映。既に発表されているプログラムに加え、本邦初公開となる約8分の短編作品『ノクターン』が、『エレメント・オブ・クライム【4Kデジタル修復版】』の本編上映前に併映される形で上映されることが決定した。

『ノクターン』(1980年)は、ラース・フォン・トリアー監督がデンマーク映画学校に在学中に監督した短編作品。長短編含めた監督のフィルモグラフィで第2作目に位置付けられ、トマス・ヴィンターベア(『アナザーラウンド』)、マーレン・アデ(『ありがとう、トニ・エルドマン』)らを輩出したミュンヘン国際学生映画祭で1980年にグランプリを受賞した作品である。

本作の受賞をきっかけに、フォン・トリアー監督は学内でスターのようにもてはやされて、撮影の自由度も格段に増し、次作『Images of Liberation』(1982年)で異例の同映画祭2年連続グランプリを受賞した。

フィルター撮影による特徴的な色味の映像や、「光過敏症」という独特なモチーフなど、のちの傑作を思わせるような要素が垣間見られ、才能の片鱗が感じられる。

なお、フォン・トリアー監督は『ノクターン』を含む短編3作品の後、「ヨーロッパ三部作」と呼ばれる3部作を発表。長編第1作となる『エレメント・オブ・クライム』(1984年)で第 37 回カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会グランプリを獲得。

長編第2作目となる『エピデミック~伝染病』(1987年)では第 40 回カンヌ国際映画祭 ある視点部門出品。3作目の『ヨーロッパ』(1991年)では第 44 回カンヌ国際映画祭審査員賞・芸術貢献賞ほかを受賞するなど、世界にその才能を知らしめた。

今回、レトロスペクティブでは3作品すべて4Kデジタル修復版にて上映されるが、それに先駆けて本編映像の一部も特別に公開される。ぜひ、この機会にその才能の萌芽となった短編『ノクターン』と併せて、劇場でご覧頂きたい。

【作品情報】

『ノクターン』※『エレメント・オブ・クライム【4Kデジタル修復版】』本編上映前に併映(予定)
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
原題: NOCTURNE/1980年/8分/デンマーク/デンマーク語

【あらすじ】

夜。ある女性が自宅のアパートで、眠れずに知人と電話で話している。朝が来ることを恐れている「光過敏症」の女の手には、翌朝6時10分、ブエノスアイレス行きの航空券。彼女は一歩を踏み出すことができるのか。

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