BTS・SUGAの“沼る魅力”は? ドキュメンタリー『Road to D-DAY』徹底解説。最高の見どころは「坂本龍一」
世界的音楽グループBTSのメンバーであり、リードラッパー・SUGA(シュガ)に焦点を合わせたドキュメンタリー映画『SUGA: Road to D-DAY』が公開中だ。稀代のアーティストの光と影に迫った本作。映画ライターの森田真帆が、熱い筆致でその魅力をひも解く。(文・森田真帆)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】
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【著者プロフィール】
森田真帆。1980年、東京生まれ。1998年に渡米。ウィル・スミスが代表を務めるウィル・スミス・エンタープライズにてインターン。北野武監督のロサンゼルスロケなどさまざま映画製作の現場を経験。帰国後は、株式会社ウエルバ(現シネマトゥデイ)の専属ライターとしてブラッド・ピット、トム・クルーズ、キアヌ・リーブスら、これまで国内外500人以上のスターにインタビュー。書籍「崖っぷちのハリウッドライフ〜まほのハリウッド日記」を発売中。
「一度ハマったら抜けられない」
BTS・SUGAの無二の魅力とは?
ファンに向けた配信ライブをするたびに世界中から「ユンギ、メリーミー(結婚して!)」ってコメントが殺到する、一度ハマったら底なし沼の魅力を持つBTSのSUGAことミン・ユンギ。本作を紹介する前に、BTSは知っているけれど、SUGAって人はよく知らないっていう方向けに、彼のことを少しだけご紹介しましょう。
BTSは、JIN、JIMIN、V、ジョングクのボーカルラインと、リーダーのRM、SUGA、J-HOPEによるラップラインとに分かれており、ラップ担当のSUGAはこれまで多くのBTSの楽曲の作詞、作曲を手掛けてきた音楽プロデューサーでもあります。
また彼はAgust Dという別名義でのソロ活動も行っていて、彼の個人的な経験や感情、心の傷、内面の葛藤にフォーカスされた歌詞を、ゴリンゴリンの高速ラップで表現する超クールなラッパーなのです。
2010年、BTSのメンバーではRMの次にBIGHIT MUSICの練習生として大邱からソウルにやってきて以来、2年半練習生として活動し、2013年にBTSのSUGAとしてデビューしました。
ふだんは物静かで、ときにARMYからは「爺」と呼ばれ、本人も「生まれ変わったら石になりたい」というほどの省エネ派。BTS のバラエティ番組「RUN!BTS」でもいつもワチャワチャしているメンバーをクールに見守りながら、なぞの変なスイッチが入ったら誰よりも大はしゃぎして楽しそうに満面の笑顔を見せる不思議な魅力を持った人。でもひとたびステージに上がると激しい高速ラップを繰り出し、クールな姿も可愛い笑顔も、かっこいいラップ姿も、そのすべてに沼る女子が続出するほどの色気の持ち主です。
「SUGA: Road to D-DAY」は、そんな彼がAgust D名義のソロアルバム「D-DAY」を制作するまでの過程、そのなかで彼が直面する曲作りの苦悩、困難、音楽への熱き情熱を追いかけたドキュメンタリーです。
と、とりあえずここまでは一気に書かせてもらいましたが、私自身メンバー全員が大好きなARMYなので、ふだんならばヒョヒョーイと書ける映画のレビューがもう好き過ぎて書けない! 苦しい! 思いが溢れ過ぎてこれでちゃんと伝わるかどうかすら分からない! モルゲッソヨ(わかりません)!
ここからはだいぶファン目線を加熱させつつ、ドキュメンタリーの内容をお伝えしていきますよ。