“フォークの神様”と呼ばれたミュージシャン、ボブ・ディランの伝記映画『A Complete Unknown（原題）』が現在製作中だ。主演を務める俳優ティモシー・シャラメは、本作のジェームズ・マンゴールド監督に「信じられないほど音楽が上手い」と称賛を受けたようだ。今回は、その内容の詳細を現地メディアを参考に紹介していく。

ディランを演じるティモシー・シャラメの歌唱力に期待高まる！？

人気俳優ティモシー・シャラメは、近日公開予定の映画『デューン 砂の惑星 PART2』で、主役のポール・アトレイデス役を再び演じる。本作は、壮大なSFファンタジー要素満載の作品だ。

一方カナダニュースサイトScreen Rantによると、ティモシー・シャラメが主演を務める映画『A Complete Unknown(原題)』も、現在準備を続けているようだ。

現在は公開日未定の同作は、シャラメが今まで出演してきた作品とは全く異なるジャンルであり、ミュージカルのスター、ボブ・ディランが大学を中退し、2ドルを持ってニューヨークにやってきたという、彼の初期を描く伝記映画となっている。

シャラメは、アコースティックが大前提のフォークミュージックに対し、ニューポート・フォーク・フェスティバルでエレキギターを使用してパフォーマンスを行い、彼の“ロック魂”を主張するという、物議を醸す決断を下した1960年代初頭のボブ・ディランを演じる。

また、ボブ・ディランの曲を自ら歌い上げ、演奏し、自身の音楽スキルを映画で披露するのだ。

これはシャラメのように若いスターにとっては、音楽性を持った作品に出演する能力を持っているかどうかを判断される、リスキーな行動になるかもしれない。

しかし映画『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)で、俳優ホアキン・フェニックスと、女優リース・ウィザースプーンを同様のミュージカル作品で起用した映画監督のジェームズ・マンゴールドは、シャラメの音楽の能力を全く心配していないようだ。

ジョシュ・ホロウィッツとのポッドキャスト『Happy Sad Confuse(原題)』に出演したマンゴールド監督は、シャラメが『A Complete Unknown(原題)』の準備を進めていることについて語り、彼の音楽スキルを賞賛したようだ。

マンゴールド監督は「ティミー（ティモシー・シャラメの愛称）は、今こうしている間も一生懸命働いている。僕らはミュージカルのリハーサルに参加し、そこから様々なことを学んだ。彼や他の参加者たちに対して、これ以上の信頼はない。期待も大きいが、仲間意識と愛情も大きい」

「私たちはこの3年間、この映画に取り組んできた。だから、たくさんの準備があった。コロナパンデミックが起きても、誰も立ち止まらなかった。執筆や、リハーサル、ティミーはギターを弾きながら仕事をしていた。おそらく、『デューン』の撮影にもギターを持って行き、サンドワームに乗りながらもギターを弾いていたんだろう」と語った。

映画『A Complete Unknown（原題）』で、ディランの代表曲を演奏することは、シャラメの音楽スキルを試すのには十分な内容だ。しかし実のところ、シャラメはさらに挑戦的な別のミュージカル映画にも出演を果たそうとしている。

作家ジーン・ワイルダーの小説が原作の映画『ウォンカ（原題）』で、シャラメは、歌を歌うのだ。ちなみに、この作品は『チャーリーとチョコレート工場』の前日譚である。

もしシャラメが、ボブ・ディランの曲を説得力を持って演奏し、ウィリー・ウォンカとしても曲を歌いあげるという、2つの挑戦を成功させれば、音楽の演奏が求められるキャラクターの役を演じるための彼の能力は、マンゴールド監督だけでなく映画界全体に認められることになるだろう。

映画『A Complete Unknown(原題)』でシャラメのディラン役をいつ観られるかは、まだ明らかにされていないが、この映画は2024年か2025年に全米で公開される予定となっている。

映画『ウォンカ』の全米公開予定日は、2023年12月15日で、日本公開日は未定となっている。

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