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「最も美しいドイツ映画」ウルリケ・オッティンガー「ベルリン三部作」各作品ビジュアル解禁&監督トーク付きイベント開催!

text by 編集部

フェミニズム映画やクィア映画の文脈で論じられるなど、先進性が再評価されているオッティンガー作品。「ベルリン三部作」は過激である一方、見ることの喜びへと誘うユーモアと美意識に溢れる。今回は色鮮やかな各作品のポスタービジュアルとオッティンガー監督のオンライントーク付き『ラオコーンと息子たち』の上映イベントの詳細を解禁する。

過激・ユーモラス・美意識
生々しい知性と豊かで鋭い感性を備える3つの作品

8月3日にはゲーテ・インスティトゥート東京にて「ベルリン三部作」の公開に先駆けてオッティンガー監督の初監督作『ラオコーンと息子たち』(1972/73)の上映と監督のオンライントークショーが実施される予定だ。

本作は、女性しか住んでいない架空の土地で、主人公のエスメラルダ・デル・リオが幻想的な変身を遂げていく物語。

独自の美学を貫き続けるオッティンガーのデビュー作には、並外れたキャラクター、幻想的なロケーション、魔法のような変身など、後に彼女の映画作品の特徴となる要素がすでに数多く含まれている。

【ウルリケ・オッティンガ― Ulrike Ottinger】

1942年6月6日、ドイツ南部コンスタンツ生まれ。1962年から1969年の初めまで、パリでアーティストとして活動。
その頃、クロード・レヴィ=ストロース、ルイ・アルチュセール、ピエール・ブルデューらの講義を受ける。

西ドイツに帰国し、最初の映画作品『Laokoon und Söhne(ラオコーンと息子たち)』(1972-73)を制作した。以降、フィクションとドキュメンタリー、あるいは映画の制約に囚われない創作活動を重ね、2020年にベルリン国際映画祭でベルリナーレカメラ賞(功労賞)を受賞。

2021年、22年にはヨーロッパを中心に各地で大規模なレトロスペクティブやシンポジウムが開催。映画及び視覚芸術表現の領域において次代に向けた再評価の機運が高まっている。

「最も美しいドイツ映画」ウルリケ・オッティンガー「ベルリン三部作」
8月19日(土)、渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー!

【『ラオコーンと息子たち』上映&監督トークイベント】

2023年8月3日(木)18:30開場 19:00開始(21:00頃終了予定)
場所:ゲーテ・インスティトゥート東京(東京都港区赤坂7-5-56ドイツ文化会館内)
料金:一律1300円 Peatixで発売中(チケットは予定枚数に達し次第、販売を終了いたします。)

『ラオコーンと息子たち』(ドイツ、1972/1973年、50分、 デジタル(オリジナル16㎜))
脚本、監督、撮影、制作:ウルリケ・オッティンガー/テキスト:チキタ・ブルック(aka ハビエル・アロユエロ)、ウルリケ・オッティンガー
監督、衣装、メイク、出演:タベア・ブルーメンシャイン
詳細はこちらをご覧ください。

『アル中女の肖像』 国内劇場初公開  Bildnis einer Trinkerin|Ticket of No Return

『アル中女の肖像』
アル中女の肖像Bildnis einer Trinkerin Photo Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger

1979年/西ドイツ/カラー/108分/ビスタ
監督・脚本・撮影・美術・ナレーション:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ペーア・ラーベン 衣装:タベア・ブルーメンシャイン 歌:ニナ・ハーゲン
出演:タベア・ブルーメンシャイン、ルッツェ、マグダレーナ・モンテツマ、ニナ・ハーゲン、クルト・ラープ、フォルカー・シュペングラー、エディ・コンスタンティーヌ、ヴォルフ・フォステル、マーティン・キッペンバーガー 他

飲むために生き、飲みながら生きる、酒飲みの人生。西ドイツのアート、ファッションシーンのアイコン的存在であったタベア・ブルーメンシャインの爆発する魅力。R.W.ファスビンダーが「最も美しいドイツ映画」の一本として選出し、リチャード・リンクレイターが最愛の作品とする。

『フリーク・オルランド』 Freak Orlando

『フリーク・オルランド』
フリークオルランドFreak Orlando Photo Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger

1981年/西ドイツ/カラー/127分/ビスタ
監督・脚本・撮影・美術:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ヴェルヘルム・D.ジーベル 衣装:ヨルゲ・ヤラ
出演:マグダレーナ・モンテツマ、デルフィーヌ・セリッグ、ジャッキー・レイナル、アルベルト・ハインス、クラウディオ・パントーヤ、エディ・コンスタンティーヌ、フランカ・マニャーニ 他

ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』を奇抜に翻案し、神話の時代から現代までが5つのエピソードで描かれる「小さな世界劇場」。ユニークな映像感覚の中に、ドイツロマン主義の伝統とブレヒトやアルトーなどの近現代演劇の文脈が息づく。

『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』 国内劇場初公開

『タブロイド紙が映したドリアン・グレイ』
タブロイド紙が映したドリアングレイDorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse Photo Ulrike Ottinger © Ulrike Ottinger

Dorian Gray im Spiegel der Boulevardpresse|Dorian Gray in the Mirror of the Yellow Press
1984年/西ドイツ/カラー/151分/ビスタ
監督・脚本・撮影・美術:ウルリケ・オッティンガー 音楽:ペーア・ラーベン、パトリシア・ユンガー
出演:ヴェルーシュカ・フォン・レーンドルフ、デルフィーヌ・セリッグ、タベア・ブルーメンシャイン、トヨ・タナカ、イルム・ヘルマン、マグダレーナ・モンテツマ、バーバラ・ヴァレンティン 他

伝説的なスーパーモデル、ヴェルーシュカが主演。デルフィーヌ・セイリグ、タベア・ブルーメンシャインらが特異な存在感を持って脇を固める。オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』や「ドクトル・マブゼ」などのモチーフを含み込み、バロックで、デカダンスで、ダダイスティックな独自の世界観を生み出している。

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