“闘う映画監督” ジャファル・パナヒ監督最新作『熊は、いない』日本版ポスタービジュアル&予告編完成
自国イランの政府に映画制作を禁じられた、”闘う映画監督”ジャファル・パナヒ監督の最新作『熊は、いない』の日本公開が、9月15日(金)に決定した。第79回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞した同作のタイトルにある「熊」とは? 答えは作中で明かされる。さらにこの度、同作の日本版ポスタービジュアル&予告編が完成した。
映画『熊は、いない』9月15日(金)より 新宿武蔵野館ほか全国順次公開
世界三大映画祭ほか主要映画祭にて高く評価され続け、イラン政府に映画制作を禁じられながらも圧力に屈せず映画撮影を続ける《闘う映画監督》ジャファル・パナヒの最新作『熊は、いない』が、9/15(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開することが決定した。
また、日本版ポスタービジュアルと予告編も完成し、場面写真7点とあわせて公開となった。
長編デビュー作『白い風船』(95)で第48回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞して以来、世界三大映画祭ほか主要映画祭にて高く評価され続けるイランの名匠ジャファル・パナヒ監督の最新作「NO BEARS」(英題)の邦題が、『熊は、いない』(配給:アンプラグド)となり、9月15日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開することが決定した。
市井の人々の日常を通してイラン社会の置かれたリアルな現実を描き続けるも、政府から2010年に“イラン国家の安全を脅かした罪”として20年間の映画制作禁止と出国禁止を言い渡されたパナヒ監督。
それでも抑圧に屈せず様々な方法で映画を撮り続け、2010年以降に本作を含めた5本の長編は全て極秘に撮影。あらゆる制約を回避し自身を映画の題材にすることで、ミニマムながら工夫と発想に富んだ豊かな映画を作り続ける、世界で最も勇敢な映画監督として知られている。
最新作『熊は、いない』でパナヒ監督は、イランの村からリモートで映画を撮影する監督役として主演を務める。撮影で滞在していたイランの小さな村で起きたあるトラブルに、監督自身が巻き込まれていくという物語だ。
自国イランでは上映禁止だが、本作は見事、第79回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を獲得。
日本でも第23回東京フィルメックスのオープニング作品として上映されると「圧巻の一本!」「脳裏に焼き付いて離れない」と目の肥えた映画ファンたちがこぞって絶賛。世界から称賛される注目作が、ついに劇場公開する。
今回解禁された日本版ポスターは、本作の主人公であるパナヒ監督が、カメラのファインダーを覗きこみ何かを撮影している姿を捉えている。周囲には民族衣装を身に纏った村の住人や体を寄せ合うカップルなど、監督を囲むように老若男女が集合している。
ポスターの縁には美しいイランの伝統文様が施され、一見、牧歌的で明るい印象をもつ。しかし、それとは対照的に添えられた「イランの村で起きた、ある掟にまつわる事件」というコピー。
パナヒ監督と村人たちの間で一体どんな出来事が起きるのか、不穏な気配が漂うビジュアルだ。
さらに予告編では、より踏み込んだ展開が映される。イランの村からリモートで映画撮影をするパナヒ監督。撮影も順調に進み、滞在先の村でにこやかに村人たちの写真を撮っている。
監督が撮影するドキュメンタリードラマの主人公は、トルコで国外逃亡を考えている若いカップル。偶然にも、監督が滞在する村にも村から逃げたいカップルがいる。やがて監督に不穏な影が忍び寄る。
村の男たちは「ある2人の写真を撮っておられたかな?」と訝しげに尋ね、女は暗闇で必死な剣幕で助けを求めてくる。ある“掟”にまつわる出来事に、監督は次第に巻き込まれてしまう。
やがて小さな出来事は大きな事件へと発展。村人たちがパナヒを取り囲み、村人たちが正気を失い殴り合う緊迫シーンが映る。さらにはトルコの映画撮影も難航し、「私たちの人生を撮ると言いましたよね?」とカップルが監督を問いただす事態に。
村にある掟とは? 熊とは一体何なのか? そして二組のカップルが辿り着く運命とは?
パナヒを軸に展開する2つのストーリーが交錯し、先の読めない展開に一瞬も目をそらす隙を与えない。ラスト、予告編は暗闇の中で国境線を踏む監督の緊張感あふれる表情を捉え、「本作完成後、パナヒは逮捕された」という衝撃の言葉で締めくくられる。
この映画に、そしてパナヒ監督自身に待ちうける想像を絶する結末を予感させ、イランに残る抑圧的な社会問題を感じずにはいられない。
《闘う映画監督》ジャファル・パナヒ監督の新たなる社会派サスペンスの傑作を、ぜひ劇場で確かめてほしい。
全国鑑賞券は、本国ポスターをデザインした特製ポストカード付きで7月14日(金)より発売。
【STORY】
国境付近にある小さな村からリモートで助監督レザに指示を出すパナヒ監督。偽造パスポートを使って国外逃亡しようとしている男女の姿をドキュメンタリードラマ映画として撮影していたのだ。
さらに滞在先の村では、古いしきたりにより愛し合うことが 許されない恋人たちのトラブルに監督自身が巻き込まれていく。2 組の愛し合う男女が迎える、想像を絶する運命とは……。パナヒの目を通してイランの現状が浮き彫りになっていく。
【作品情報】
監督・脚本・製作:ジャファル・パナヒ
撮影:アミン・ジャファリ「白い牛のバラッド」
出演:ジャファル・パナヒ、ナセル・ハシェミ、ヴァヒド・モバセリ、バクティアール・パンジェイ、ミナ・カヴァニ・ナルジェス・デララム、レザ・ヘイダリ
2022 年/イラン/ペルシア語・アゼリー語・トルコ語/107 分/英題:NO BEARS
配給:アンプラグド ©2022_JP Production_all rights reserved
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