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「人工知能がアカデミー賞を獲れば話は別」ジェームズ・キャメロン、ハリウッドが推し進めるAI使用について警鐘を鳴らす

text by 編集部

映画『ターミネーター』、映画『タイタニック』、映画『アバター』など、数々の名作を生み出し続ける映画界の巨匠ジェームズ・キャメロン監督。映画製作技術の限界を広げるキャメロン監督だが、昨今のハリウッドのAI使用問題ついて声を上げているようだ。今回は現地メディアを参考に、そのインタビュー内容を解説していく。

「1984年に警告したはずだ」
番組インタビューで語る

ジェームズ・キャメロン監督(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』ワールドプレミアより)
ジェームズキャメロン監督アバターウェイオブウォーターワールドプレミアよりGetty Images

近年、AI使用に対する懸念は社会全体で高まりつつある。映画界では、ハリウッドの俳優や脚本家が、AI使用をめぐりストライキに突入しているのだ。

カナダニュースサイトScreen Rantによると、そのようなAI議論が続く中、ジェームズ・キャメロン監督が、カナダで最も視聴率の高い報道機関のCTV Newsのインタビューにて、この話題について言及。AI使用について、概ね以下のように述べたようだ。

「彼らの懸念は私も同じだ。1984年に警告したはずだ。でもあなたたちは耳を貸さず、お金の流れを追った。こんなものを作っているのは一体誰だ?マーケティングシェアを独占するために作っているんだ。一体、何を教えようとしているのか。それとも防衛のために作っているのか。パラノイアについて教えているというのか。私は、中でもAIの兵器化が最大の危険だと考えている」

「AIを使った核兵器開発競争に発展する可能性も考えられる。もし自分が作らなければ、相手が確実にそれを作るから、どんどんAIの使用はエスカレートする。そして、AIが戦闘の場に登場し、人間がもはや仲裁できないスピードで戦闘を繰り広げる」

「AIに脚本を書いてもらおうとは思わない。この先20年待って、もしAIがアカデミー賞脚本賞を受賞するようなことがあれば、彼らのことを真剣に考えなければならないと思う」

「観客を感動させるようなものが、AIのようなものにあるとは思えない。脚本を書くには人間である必要があるんだ。AIに脚本を書かせようと考えている人の気が知れない。とはいえ、私もハリウッドの全員を知っている訳ではないからね。ハリウッドの人たちは、とんでもないことをするから」

このように、キャメロン監督は、AI使用について強く否定する姿を見せている。

現在、AMPT(映画テレビ製作者同盟)は、AI使用に関して“様子見”のアプローチを取り、定期的にミーティングを開くことを望んでいる。脚本家や俳優は、AIが映画製作プロセスで、どのように使用されるのかについて、明確なガイドラインを求めている。

WGA(全米脚本家組合)については、脚本執筆のプロセスにおいて、AI使用に関する明確なルールを求める声がある。ハリウッドのAI使用をめぐる議論は、複雑かつ繊細な問題で、AIツールの進化によりさらに複雑になることが予想できる。

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