「この悪ガキはナポレオンだ」映画『ナポレオン』リドリー・スコット監督、ホアキン・フェニックスを主演に抜擢した理由とは?
2023年12月に公開予定のリドリー・スコット監督の映画『ナポレオン』。主演を演じるのは、映画『ジョーカー』(2019)でその驚異的な演技力を世に広めた、ホアキン・フェニックスだ。スコット監督によれば、ホアキンの起用は『ジョーカー』がきっかけだったとのこと。早速その詳細を、米MovieWebを参考にご紹介する。
リドリー・スコット監督「この悪ガキはナポレオン・ボナパルトだ」
映画『ジョーカー』(2019)のあらすじはこうだ。社会的な不正義や、経済的な困窮に苦しむ、主人公アーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)。彼は、心の闇に苦しむ孤独な存在。そんなアーサーは、道化師としてパフォーマンスし、生活を営む。その一方で、自らの心の内なる闇が、徐々に膨らんでいく。社会から孤立したアーサーは、独自の論理を抱いたまま、怒りと共に自身を解放する。
本作で主演をつとめた俳優ホアキン・フェニックスは、その演技で多くの賞賛と称賛を得た。2019年のヴェネチア国際映画祭でプレミア上映された後、興行収入10億ドルを突破するといった、R指定作品としては史上初の快挙を成し遂げた。
ホアキンは、アカデミー賞、英国アカデミー賞(BAFTA)、クリティクス・チョイス・アワード、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞などを獲得。さらにこの演技によって、リドリー・スコット監督の新作『ナポレオン』の主演ナポレオン・ボナパルト役を射止めたのだ。
リドリー・スコットは、英Empire誌によるインタビューで「私はホアキンを見つめ、この悪ガキはナポレオン・ボナパルトだ。彼によく似ていると言いました」と発言。
映画『ナポレオン』では、ナポレオン・ボナパルトとその妻、皇后ジョゼフィーヌとの波乱に富んだ関係に多く注目している。映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』に出演する女優ヴァネッサ・カービーが皇后ジョゼフィーヌを演じ、俳優タハール・ラヒムがフランス革命の政治家ポール・バラスを演じる。しかしながら、ホアキンによれば、この映画はただの伝記映画ではないとのこと。ホアキンは、以下のように述べている。
「ナポレオンを本当に理解したければ、自分で勉強し、本を読むべきだ。なぜなら、この映画を見れば、リドリー・スコットの目を通して語られるこの体験が理解できるからだ。複雑な世界なんだ。私たちが追い求めていたのは、この男の感覚をとらえるものだった」
『ナポレオン』の脚本は、映画『ゲティ家の身代金』(2017)で、スコット監督とタッグを組んだデヴィッド・スカルパが担当。製作はスコットとケヴィン・J・ウォルシュで、このタッグは『グラディエーター』(2000)以来となる。
映画『ナポレオン』は、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとの提携により、11月22日(水)に世界の劇場で公開され、12月より日本でも公開される。その後は、AppleTV+での配信予定となっている。
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