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宮崎駿の本質は食べ物にあり…! 実は奥深い意味が込められているジブリ飯5選。こだわり詰まった至高の食事シーンを徹底分析

text by 市川ノン

登場人物の日常を丁寧かつ繊細に描くことが魅力の一つである「スタジオジブリ」作品。ジブリ作品に触れたことがある人ならば、美味しそうな食事の描写に目が留まった経験をお持ちだろう。今回は歴代のジブリ作品の中から“ジブリ飯”シーンを5つ紹介。料理から伝わる劇中の時代背景や、宮崎駿の日常風景などの制作裏話も紹介する。(文・市川ノン)

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食事することで3人は家族になった
ベーコンエッグから見えるジブリのこだわり

『ハウルの動く城』(2004)ベーコンエッグ

© 2004 Studio Ghibli・NDDMT
© 2004 Studio Ghibli・NDDMT

【作品内容】

イギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作に、宮崎駿が脚本・監督を務めた。

舞台は魔法と科学が混在する世界。帽子店を切り盛りする18歳の少女・ソフィーはある日、街の住民が恐れる魔法使いの青年・ハウルと出会う。その夜、「荒地の魔女」の魔法によって90歳の老婆にされたソフィーは、家を飛び出すとハウルの住居である動く城に辿り着いた。ハンサムだが、気弱な魔法使いハウルとの奇妙な共同生活がスタートする…。

【注目ポイント】

ソフィーが城に来て、間もないときにハウルが作ったのがベーコンエッグ。ソフィーと、ハウルの弟子のマルクルのぶんを手際よく作る様子と、ベーコンからあふれる脂や卵が徐々に固まっていくジブリならではの描写が印象的なシーンである。

ジブリ作品には、食事を共にした者同士は親しくなるという法則があるが、このベーコンエッグのシーンはハウル、ソフィー、マルクルが家族になったことを示しているのだろう。マルクルが「久しぶりの朝食」と話すことからも、ハウルがソフィーを歓迎していることが伝わってくる。

ちなみに、ベーコンエッグの起源はアイルランドとも言われ、現在ではイギリス式の朝食には欠かせない存在だ。ベーコンエッグの登場は、英国作家による原作に則っているのかもしれない。

一方、2017年に三鷹の森ジブリ美術館で行われた企画展示「食べるを描く。」に関連した取材で、宮崎駿の息子・宮崎吾朗は「宮崎家ではよくベーコンエッグを食べる」とも語っている。ほかにも、ジブリ作品によくベーコンエッグが登場するのには「白と黄色で描けて、シンプルだが画の中で目立つ配色」などの理由があるのだそう。

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