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最速レビュー! 映画『グランツーリスモ』現地での評価は? 時速320キロの超絶スピードを体感できる過激な一作

text by 編集部

映画『グランツーリスモ』は、時速320キロという超絶スピードで、迷路のようなコースを蛇行しながら、激しく走るスポーツカーを描いた作品。観客にリアルな共感と、興奮を与えるレースカー映画で、その内容は実話を忠実に再現したものとなっている。今回は米varietyを参考に、本作のレビュー内容をご紹介する!

デジタル世界で生きる現代人のメタファー

映画『グランツーリスモ』キャスト
映画グランツーリスモキャスト

本作のあらすじはこうだ。

主人公ヤン・マーデンボロー(アーチー・マデクエ)は、自室でグランツーリスモ(ビデオゲームとして販売されているレーシングゲーム)をプレイする。ゲーム内のヤンは、どんな歪なカーブも光のように駆け抜け、ライバルを追い抜く。いつかは、ゲームの世界での運転ではなく、本物の車でレースに参加することを夢見ていた。

ある日、そんな彼の前に突然チャンスが訪れる。純粋で無邪気さがある本作の内容は、皮肉や大袈裟なアクションを取り除いた、映画『ワイルド・スピード』のようだと言う。

映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで人気の俳優オーランド・ブルームは、本作で、日産のモータースポーツ・マーケティング担当重役であるダニー・ムーアを演じる。ダニーは、車のロマンチックな輝きを取り戻し、衰退しつつある自動車市場を活性化させようとしており、ある日、多くの自動車を販売する可能性を秘めたコンセプトを思いつく。

それは、ビデオゲーム『グランドツーリスモ』の全プレイヤーを対象としたコンテスト。優勝者には、GTアカデミーへの出場権が与えられ、日産がスポンサーとなり、ビデオゲームで培ったスキルを、実際のサーキットで使用できる。チャンピオンとなった者は、日産自動車とレース契約を結ぶ。これにより『グランツーリスモ』の世界中にいる何百万人というプレイヤーが、その興奮に感化され、自動車を購入する気になると考えたのだ。

主人公のヤンは、このGTアカデミーのコンペティションで無事優勝を果たす。しかしそれは、彼にこれから降りかかる、数多くの試練の入り口に過ぎない。そう、レースは戦いであり、その危険性は鮮明なもの。

ヤンはトレーニングで、前の車を追い抜かなければならないことを学ぶ。しかしある時、カーレースの最中に大惨事が起こる。優れたプロレーサーでさえも、一瞬の判断を誤ると奈落の底に落ちる、残酷な光景を目の当たりにするヤン。果たして1台の車を追い抜くために、その命を賭ける価値があるのか。ヤンの出す答えとは…。

バーチャルのスキルを現実のものにしようとする彼は、リアルな体験のスリルを切望する、デジタル世界を生きる現代の人々のメタファーとなっており、夢に向かって突き進むヤンはまさに現代人の象徴でヒーローのような存在となっている。

撮影カメラの映像は、車のすぐそば、上空、サーキットの真上を下降。伸び伸びとした人間味溢れるストーリーに、激しいカーレースの眩い演出と編集。映画館に訪れた人々を、有無を言わさず、主人公ヤンのスリル満点、過激なドライビングスキルで走る、レースカーの席に座らせる。万華鏡のような精密さを持つ映像は、もはや神秘的と言えるようだ。

本作の監督を務めるのは、映画『第9地区』(2009)や、映画『エリジウム』(2013)、映画『チャッピー』(2015)などでメガホンを取ったニール・ブロムカンプ。彼の8年ぶりとなる長編作品の映画『グランツーリスモ』は、彼の最高傑作となること間違いなしだろう。

カーレースについて、父と息子の親子関係について、そして与えられた運命に訪れた一瞬のチャンスを掴む勇気を手に入れる。その一瞬まで、目の前にライバルや、壁に立ち向かうことの大切さを描いている本作。

9月15日(金)より全国の劇場で公開される。10代の主人公に運転を教える引退したレーシングドライバーであるジャック・ソルター役を演じる、デヴィッド・ハーバーの演技も、本作の大きな見どころだ。

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