どこまで史実通り?リドリー・スコット監督の傑作『グラディエーター』の壮大なオープニングバトルは歴史に忠実なのか徹底比較!
text by 編集部
映画『グラディエーター』冒頭の戦闘シーンは、米CNNが「最高の名場面」と賞賛する名シーン。元農民のローマ軍将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)の栄光と悲劇を鮮やかに描く、象徴的な戦闘シーンだ。今回はそんな同作が実際の歴史の内容をどれ程正確に再現しているのか、現地メディアScreen Rantを参考に徹底解説していく。
映画『グラディエーター』のあらすじ
リドリー・スコット監督が製作を務めた本作は、ローマ軍の緻密な戦術陣形を再現し、戦闘の激しさを迫力満点に描き緊張感に満ちた傑作だ。
西暦180年を舞台にした、映画『グラディエーター』。その物語は、ローマの皇帝マルクス・アウレリウスが、信頼を寄せる将軍マキシマスに次期皇帝の座を譲ろうとするが、皇帝の息子コモドゥスがマルクス・アウレリウスを殺害。
コモドゥスの標的となった将軍マキシマスの物語だ。ローマ人の軍事力の背後にあった”戦術”を描くことを目的ともしている本作では、その歴史の正確さも重要な部分となっている。
映画の冒頭シーンでは、ローマ軍がヴィンドボナ(現在のオーストリア、ウィーン)で、蛮族ゲルマンを打ち破り、矢を放ち、森から馬で突撃し、最後は剣で切りつけ、戦いが混沌に陥る様子が描かれる。
この戦いには、ローマを象徴する重装歩兵の防御隊形で、数人が密集して固まり、亀の甲羅のように全周囲を防御する隊形「テストゥード」など、古代ローマを舞台にした映画ではお馴染みの隊形が登場する。
さらに映画『グラディエーター』には、このような隊形だけでなく、よりリアルな部分も存在する。