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失望の声が殺到…。映画『デューン 砂の惑星 PART2』が製作延期。原因となっているハリウッドのストライキの現状とは?

text by 編集部

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『デューン 砂の惑星 PART2』。全米では2023年の末に公開が予定されており、今年のトリを飾る作品として多くの期待が寄せられていたが、ハリウッドのストライキにより同作の公開は延期に。今回は米Colliderに基づき、ストライキの影響を受ける様々な作品や今後の映画公開の行く末を解説していく。

ハリウッドのストライキに影響を受けている映画たちは予定通り公開されるのか?

ティモシー・シャラメ
ティモシーシャラメGetty Images

今年期待されていたSF超大作の映画『デューン 砂の惑星 PART2』。残念なことに同作は、公開の延期が決定した。

数週間にわたる公開延期の噂の末、同作の全米公開予定日であった11月3日から延期となることが正式に決定。

すでにSNS上では、ファンからの反発の声が非常に多く上がっている。その失望のポイントはほぼ一致しており、誰もが口にするのは「なぜ?」という疑問の声である。

延期の理由を簡単に説明すると、現在ハリウッドで進行中のSAG-AFTRA(全米映画俳優組合)と、WGA(全米脚本家組合)のストライキにより、ワーナー・ブラザース、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、そして本作出演キャスト達が望んでいた形で、その宣伝活動を行うことが不可能となっているのが理由となったようだ。

特にSAG-AFTRA(全米映画俳優組合)のストライキには、重要なルールが存在する。それは、俳優達が作業停止期間中、新しいプロジェクトの撮影を禁止されるだけでなく、現在、過去、そして未来である今後のプロジェクトについての宣伝も禁止するという内容だ。

しかし、映画『デューン 砂の惑星 PART2』の延期は、同作の興行収入に予想外の影響を与える可能性が非常に高い。

確かに、俳優の宣伝不足は、映画作品の興行収入に打撃を与えること間違いなしだ。しかし、映画『デューン 砂の惑星 PART2』は、世界で、4億ドル(約585億円)以上を稼いだ第1弾の大成功を受けて製作が行われている。

世界的なパンデミックの直後であり、米配信サービス「HBOMax」との同時公開であったことを考慮すれば、同作の続編がさらに大ヒットした可能性を想像するのは簡単なことである。

さらに重要な点は、今年、映画『バービー』以外のワーナー・ブラザースの映画作品のほとんどは、その期待を裏切るか、大爆死したのだ。

映画『デューン 砂の惑星 PART2』は、ワーナー・ブラザースや、映画業界全体が好調な年末を締めくくるのに、最も必要な大ヒット作になり得たということである。

そして、ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』のIMAX公開が大成功し、延長したことを考慮すれば、全編IMAXカメラで撮影された映画『デューン 砂の惑星 PART2』も、IMAX公開により成功を加速させてさらなる興行収入が見込めた可能性も考えられる。

俳優の肖像をデジタル化する提案の撤回。脚本や演技の再現にAIの使用を制限することへの同意。ストリーミング配信による正当な報酬を俳優に還元すること。

上記の内容が決行されれば、明日にでもストライキを終結させることが可能だろう。 そうすれば、映画『デューン 砂の惑星 PART2』の出演者たちは、その公開に間に合うようにプロモーションを行うことができたはず。

もちろん『デューン 砂の惑星 PART2』だけが、ストライキの犠牲者ではない。1ヶ月前、ソニー・ピクチャーズは、マーベル新作映画『クレイヴン・ザ・ハンター』、映画『ゴーストバスターズ/アフターライフ』続編の公開スケジュールを大幅に変更し、来年に延期している。

また、映画『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』の撮影はまだ半分も終わっておらず、キャストもスタッフもまだ撮影に戻っていない。

そのため、同作の全米公開日である2024年6月に撮影を完了させ、プロモーションを行い、公開準備をすることはほぼ不可能とされている。

ティム・バートン監督が製作を務める映画『ビートルジュース』続編は、ストライキが発生した時点で撮影開始からまだ2ヶ月しか経っておらず、リドリー・スコット監督の映画『グラディエーター』続編の撮影に関しては、まだ開始から1ヶ月しか経っていない。

これらの作品も来年公開予定であることを考慮すると、他の作品と同様に公開が延期になることは避けられそうにない。

さらに先月には、ディズニー100周年記念の新作アニメ映画『ウィッシュ』の公開延期を検討しているという噂も流れた。

もちろん、現時点ではすべて憶測に過ぎないが、スタジオ側が俳優や脚本家とすぐに交渉できない限り、これらの作品の製作を公開日に間に合わせることはできないだろう。

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