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「個人的な映画なのだと思っています」
歴史的事実を語る方法に宿る

© THE OVEN FILM PRODUCTION LIMITED PARTERNSHIP
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――監督のお父様であるブルース氏はユダヤの血を引いています。片や、母ブライス・ダナー氏はドイツ系ですね。その間に生まれたジェイクさんにとって、ホロコーストの歴史的事実をどのように捉えていますか?

「私は、曽祖父の代からアメリカで暮らしていたので、私はもちろん、私の家族もホロコーストの犠牲になったわけではありませんでした。したがって、自分としてはパーソナルな歴史ではないんですね。

僕が本作でやろうとしたのは、歴史的事実にまつわる物語をつむぐ、新しい方法を見つけることでした。例えば、ホロコーストに関しては、素晴らしい良質な映画が、既にたくさん作られています。今、改めてこの題材を映画で描くとき、現代人が見て心に響く作品を作ることが重要だと思いました。

本作は、映画『SHOAH/ショア』(1985)で知られるクロード・ランズマン監督に捧げられているんですけれど、ご存知の通りこの作品は、約9時間半にもわたるホロコーストのドキュメンタリーで、再現映像を一切使わず、全編を関係者の証言のみで構成しています。

『SHOAH/ショア』を見た時、ホロコーストへのアプローチが現代的なものに感じたし、歴史的事実に共感したり、感情移入できるものになっていると思いました。今回、私はそれを、フィクションの形でやりたかったのです。

特に、この映画でいえば、ポーランドでのシーンがそれに当たります。つまり、この映画は私のパーソナルな思いが製作の発端にあったわけではないんです。しかし、一方で、この映画は、映画作家としての私のコアな部分が濃厚に反映された作品でもあります。

なぜかと言うと、私が映画作家としてやりたいこと…現代人の心に訴えかける新しい物語をつむぐこと…を発見するようにして映画を作ることができたからです。その点、個人的な映画なのだと思っています」

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