絶賛コメントの嵐の背景とは
撮影編集に5年を費やし、本作は2023年3月にイギリスでの劇場公開を迎えた。サステナビリティへの高まる注目度とも相まって、”The Times”や”The Guardian”の紙⾯では「服を着る⼈すべてが⾒るべきだ」といった絶賛評が掲載された。
【VOGUEの新⼈賞がきっかけとなった映画制作】
2017 年、当時ダック・プロダクションズでブランドのキャンペーンやイベントの映像制作を⼿掛けていたハトナーは、VOGUEのデザイナー・ファッション・ファンドの撮影で、その年の受賞者であるエイミーと出会う。その後エイミーと⾷事をし、賞金でサステナブルなコレクションを作りたいという話を聞いたハトナーは、彼⼥の挑戦を追っ
たドキュメンタリー映画を撮ることになる。
【No Frills の革新性とファッション業界の変化】
エイミーが新⼈賞を受賞した 2017 年頃、ファッション業界では、サステナビリティはまだニッチなトピックだった。大型ブランドは12シーズン、大衆ブランドは週単位で動き、春夏コレクションの前にプレシーズン、秋冬も同様で年に4回のコレクションを発表する。
No Frillsはその年のロンドン・ファッション・ウィークで発表された唯⼀のコレクションであった。発表後、No Frillsの革新性が話題となり、業界内でも爆発的にサステナビリティへの意識が高まっていった。